東海地区最大を呼び物に2000年、名古屋市中区錦3に開店した書店
「マナハウス」が、11月末で閉店する。
栄地区で、書店の撤退や規模縮小が急激に進む一方、ミッドランドスクエアの開業などで
集客力を増した名駅地区では書店が客足を集めている。
業界は、活字離れやインターネット利用者の増加など逆風にさらされるが、
栄地区の書店には“元気な名駅”の余波も押し寄せている。
同店は2000年、広小路通に面したビルの1−5階部分にオープンした。
売り場面積約3千平方メートル、在庫60万冊が「東海地区最大」と話題になったが、
客足が思うように伸びず、現在はビルの1、2階に規模を縮小して営業している。
栄地区では昨年8月、旭屋書店名古屋ラシック店が売り場面積を半減させ、
約1000平方メートルでリニューアルオープン。
昨秋には、約2150平方メートルの売り場面積があった紀伊国屋ロフト店が閉店したばかり。
栄地区での書店の衰退ぶりに、共立総合研究所(岐阜県大垣市)の江口忍主任研究員は
「業界は、活字離れやネットによる本の通販、(古本を低価販売する)ブックオフの台頭など
逆風が強い。ただ、栄地区は、名駅地区に客が流れた影響を受け、より深刻だ」と指摘する。
今年3月にオープンしたミッドランドスクエアだけでも、開業半年で約950万人の来館者を引き寄せた。
同ビルではトヨタ社員約3千人が働くようになり、その購買力が周辺百貨店の売り上げを引き上げている。
栄で撤退した紀伊国屋は3月、名駅の集客力を当て込み、売り場面積約730平方メートルの
「名古屋名鉄店」をオープン。
三省堂名古屋高島屋店(約1900平方メートル)やジュンク堂名古屋店(約1000平方メートル)も
店を構えていて競争は激しいが、いずれの担当者も「ビジネスマンを中心に、客足が絶えない」と活況を喜ぶ。
マナハウスを運営するダイテック(名古屋市東区)は、ビルを改装した上で書店以外の新たなテナントを探し、
来夏にオープンさせるという。
ソース
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2007100490131229.html