小松空港に週三便体制で就航しているカーゴルクス航空(ルクセンブルク)の国際貨物
定期便の週四便化への復便交渉が、暗礁に乗り上げている。来月二日からの谷本正憲知事
のルクセンブルクなど欧州五カ国訪問は、復便交渉の総仕上げに位置づけられており、
訪 欧延期も含め影響は必至の情勢だ。県にとっては、小松空港の国際物流拠点化戦略の
大幅 な見直しも迫られる事態になりそうである。
県などによると、原油価格の高止まりなど国際航空貨物市場を取り巻く環境は、「昨年から
今年にかけて急速に悪化してきている」(県幹部)という。
例えば、アリタリア航空(イタリア)の国際貨物便は昨年夏、唯一日本に乗り入れていた
関西空港から完全撤退するなど、世界の航空貨物会社は厳しい経営環境に置かれている 。
加えて、大量輸送が可能な船舶との競合も激化し、日本発着の国際航空貨物市場は昨年、
輸入貨物量が2・6%の微増だったものの、輸出貨物量は6・5%減少している。
カーゴルクス社は二〇〇五(平成十七)年八月に週五便から週四便へ、さらに昨年十月
には週三便に減便。県はこれまで、カーゴルクス便が途中給油のロスをなくすため燃料
満載で離陸できるよう小松空港の滑走路をかさ上げしたほか、駐機場の増設など空港整備を
実施する一方で、カーゴルクス社と復便交渉を続けてきた。今年六月には谷本知事が駐日
ルクセンブルク特命全権大使と会談し、ルクセンブルク政府からの側面支援も要請した。
県がカーゴルクス便の早期復便にこだわるのは、週三便体制が貨物の集荷に悪影響を及ぼし
始めたことが背景にある。実際、昨年十月の週三便化以降、小松空港からの輸出貨物 量は
対前年比で約三割減少し、減便による利便性の低下が貨物の集荷減という「悪循環に陥る」
(県幹部)状況下にある。
十日開会の県議会九月定例会の提出議案説明の中で、谷本知事も「減便が取扱貨物量の
さらなる減少につながるとの懸念がある」との認識を示し、県は今回の知事による
カーゴルクス社への直接要請を復便への突破口と位置づけていた。
しかし、関係者によると、経営環境の悪化を背景にカーゴルクス社は、全社的な路線見直し
を検討中とされ、日本の空港貨物市況も厳しいことから小松便の復便については、見通しが
立っていないとの見方が強い。
ソースは
http://www.hokkoku.co.jp/_today/H20070912101.htm 依頼を受けてたてました。