∞遊佐のJA、生協と米産直提携
JA庄内みどり遊佐支店と生活クラブ生協連合会(東京)の米の産直提携が、国内版フェアトレード
(FT)として注目されている。FTは本来、先進国が途上国の製品を買うことで、持続可能な経済発展を
目指すもの。東京大学の研究室が、都市の消費者が持続可能な農業の環境作りに責任を持つ庄内の
取り組みに注目。「FTの理念を生かした将来の農業のモデルになるかもしれない」と現地調査に
入っている。(佐藤恵子)
◆消費者が積極的に参加
庄内平野の北端。鳥海山のふもとに田園地帯が広がる遊佐町。約500軒の農家が、生活クラブ
生協向けの米を作っている。作付面積は1100haに及ぶ。同生協は、北海道から大阪府まで約27万人の
組合員がいる。
農協と生協が産直提携を始めたのは36年前。80年代後半からは、減農薬でおいしい米を両者で
開発し、現在は生協が扱う年9000トンの米のうち6割が遊佐産。そのほとんどが共同開発米になった。
共同開発米は「ひとめぼれ」と「どまんなか」のブレンド米「遊YOU米」。今はほとんどが8種類の農薬
しか使っていない。これは通常の生産方法の半分の量だ。
生協の組合員は、1年間で食べる量をまとめて注文。そのほかに、翌年が不作の場合でも安定供給
するため、生協が備蓄米として1カ月分を購入する。余れば翌年産の出荷以降に安く販売したり、
加工食品に利用したりする。
通常の産直と違うのは、農家が安定して生産できるよう、消費者が米の購入代金とは別に様々な
形で基金拠出に協力している点だ。冷害や台風など自然災害の被害だけでなく、近隣にアルミ廃材
再生工場が建設された際には、移転の費用を消費者がカンパした。
価格決定に消費者と生産者が意見を交わすのも特徴のひとつ。共同開発米は市場価格より1割ほど
高い。生産者が肥料代や減価償却費などコストについて消費者に説明し、交渉の上で価格を決める
「生産原価保障方式」を採用している。
この取り組みに注目したのが、東大大学院の矢坂雅充准教授(農業経済)だ。矢坂准教授は「今の
日本の農業は、産業として破綻(はたん)している」と話す。補助金など様々な政府の施策を受けねば
成り立たない国内産の農作物は、すでに市場経済になじまないものとなっているとの考えだ。
遊佐では、農業を消費者が支えることで食糧の安定供給だけでなく、環境保全にも力を貸して
いる。これは、欧州や米国で主に南北格差解消、人道支援を目的に始まったフェアトレードの
国内版ではないか、と見た。
>>2に続く
▽News Source asahi.com 2007年09月08日
http://mytown.asahi.com/yamagata/news.php?k_id=06000000709080002 http://mytown.asahi.com/yamagata/k_img_render.php?k_id=06000000709080002&o_id=2497&type=kiji ▽関連
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