ニューヨーク(ウォール・ストリート・ジャーナル)半導体最大手の米インテル(Nasdaq:INTC)が
サーバー向けの高性能半導体のラインアップを見直した。
同業のアドバンスト・マイクロ・デバイシズ(NYSE:AMD)がここ数年で最も重要な製品を発表する直前だった。
インテルが6日発表したクアッドコア半導体「ジーオン」シリーズの新モデルは、
4個以上のマイクロプロセッサーを搭載したサーバー向け。これはAMDが最も得意とする分野。
インテルの従来製品の一部と同様、最新のジーオンもそれぞれ2個のコア(中枢回路)を搭載する
2つの半導体を1つのパッケージに収めた。
一方のAMDは10日、マイクロプロセッサー「オプテロン」(開発コード名「バルセロナ」)の「クアッドコア」版を発表する。
バルセロナでは1枚のシリコン基板上に演算装置を4個搭載する。
これまでと同様、両社はそれぞれ自社製品の方が演算能力と電力消費の低さで勝ることを示す、矛盾した試験データを
提示している。もう1つの争点は、バルセロナの初期バージョンの動作周波数が当初の予想を下回ったAMDが、
コンピューターメーカーの希望通りの処理速度を実現した製品をタイミングよく生産できるか、ということにある。
米ヒューレット・パッカード(HP)(NYSE:HPQ)の上級副社長、ジェームズ・ムートン氏は
「何がいつ手に入るか、という問題がある」と指摘。
HPは5日、インテルの新しい半導体に基づいたサーバーを発売した。また、AMDのバルセロナの採用も予定している。
一方、AMDの本社副社長兼サーバー・ワークステーション部門ゼネラルマネジャーのランディー・アレン氏は、
バルセロナについて、8月に製造とコンピューターメーカーへの出荷を開始した、と語った。
また、バルセロナを利用したシステムは今月発売する予定とした上で、AMDは処理速度を高めたモデルの開発を促進する、
として「当社は需要を満たすことができると予想している」と語った。
2003−06年にかけて、インテルは半導体の性能でAMDの後塵を拝したものの、
さまざまな製品に徐々に採用したマイクロプロセッサーの設計で、1年前に反撃に出た。
正式名称「ジーオン7300」、開発コード名は「タイガートン」と呼ばれるインテルの新モデルは、
この設計の対象を4個以上の半導体を活用するサーバーにも広げた。
インテルのデジタル・エンタープライズ・グループ担当副社長兼共同ゼネラルマネジャー、
トム・キルロイ氏は、この半導体に基づいたシステムは、独SAP(NYSE:SAP)が販売するような、
大容量データベースや業務用プログラムの実行に理想的、とした。
同社はまた、AMDのバルセロナに対抗する製品を10−12月期に発表する。
既存設計の性能を向上させるため新製造プロセスを採用した半導体「ペンリン」(開発コード名)だ。
キルロイ氏は「当社は非常に満足しており、自信を持っている」と意気込みを示した。
ジーオン7300の価格は、動作周波数や電力消費などによって856−2301ドルになっている。
ソース
http://it.nikkei.co.jp/business/news/index.aspx?n=RSBTN2321%2007092007