マリンターミナル社 取締役会で賛成多数/一部取締役から不満の声も
宮古島市などが出資する第三セクターの宮古島マリンターミナル社(社長・伊志嶺亮市長)
が所有する「ホテルアトールエメラルド宮古島」の売却に向けた同社の臨時取締役会が
二十三日、那覇市内のホテルで行われ、譲渡候補先を国内大手のホテルチェーン
「ルートインジャパン」とすることを賛成多数で承認。今後、売却に向けて詰めの作業を
展開していくこととなった。しかし今回の決定に一部取締役が反発し、採決の前に退席。
取締役で同ホテルを現在運営している漲水リゾート開発の下地米蔵社長は、今回の決定の
あり方、協議の進め方に問題があるとして、マリン社に対する訴訟を検討していくとの
姿勢を示した。
同ホテルの売却について、マリン社は、売却を含めた事業再生方針を昨年の株主総会で
確認。同ホテル売却に対し、国内の大手ホテルチェーン「ルートインジャパン」と、
県外の資本と提携している市内企業が買い取りを希望した。そこでマリン社は、
「ホテル棟譲渡選定委員会」を立ち上げて審議し、譲渡候補先を「ルートインジャパン」
とすることでまとまっていた。
先月十九日の取締役会では、選定委の意向が報告され、譲渡候補を決定する予定だったが
取締役の意見が衝突。協議は紛糾し、結論を持ち越した。
今回は、取締役十三人のうち十一人が出席。採決の段階で、二人が退席し、残った九人での
採決では、譲渡候補を「ルートインジャパン」とすることが賛成多数で承認された。
伊志嶺市長は「今後、ルートイン側の事業計画、私たちの計画との調整を図り、経営が安定
するような形で同社との契約を前提に交渉を進めていく」と述べた。
一方、退席した下地社長は、今回の決定のあり方について「そもそもルートイン側の
事業計画についても今回新たに示されたものもあり、さらに計画の中身でも、ホテル隣の
売却できないはずの土地の売却が含まれているなど、法に触れる部分もある。そんな内容の
計画で採決に加わることはできない。ホテルの経営は今後も続ける。この問題はマリン社を
相手した訴訟になるだろうし、長期化すると思う」と述べた。
マリン社は、ようやくホテルの譲渡候補先決定にこぎつけたが、取締役内部の溝はさらに
深まった。現在、ホテルを運営する漲水リゾートの下地社長が、ホテル経営継続の意志を
示し、ルートインへの売却を見据えて訴訟も検討するとの姿勢を示していることから、
先行きは不透明となっている。
ルートインジャパン(永山勝利社長、本部・東京都、長野県)は、一九七七年に設立。
資本金三十五億円。全国でホテルのチェーン運営などを展開し、チェーン数は百八十四
店舗(七月一日現在建設・申請中を含む)。県内では那覇市、名護市、石垣市で運営
している。
ソースは
http://www.miyakomainichi.co.jp/modules/bulletin/article.php?storyid=872 依頼を受けてたてました。