アメリカン航空はこのほど、インターネット接続業者エアセルと提携して2008年から
旅客機で無線ブロードバンド(高速大容量)通信を試験提供すると発表した。
USAトゥデイによると、対象は国内線のボーイング767-200型15機で、ラップトップ、
スマートフォン、PDSなど無線LANの標準規格Wi-Fi(ワイファイ)に対応した個人の
機器にネット接続を有料で提供する。
乗客は地上のホットスポット(無線通信可能区域)と同じようにウェブサイト閲覧、
電子メールやインスタント・メッセージの受送信ができるが、「スカイプ」など
インターネット電話は使えない。
料金は未定だが、地上のホットスポットより多少割高になる見込み。チェーン店の
一部で無線ネット接続を提供しているスターバックスは、利用者から1日約10ドル
を徴収している。
機内インターネットは、外国の航空会社10社の航空機約150機で導入された通信衛星
ベースの「コネクション・バイ・ボーイング」が06年末に停止されて以来提供されておらず、
現在はエアセル、パナソニック・エビオニクス、オンエア、ロウ44などが航空業界の
市場をめぐって競合している。
コネクションは乗客には好評だったが、米航空会社にはコストや重量の負担が大きかった。
その点、衛星でなく地上の携帯電話通信塔を使うエアセルの技術は、航空機当たりの
コストが10万ドル以下、重さは100ポンド以下とコネクションより安くて軽い。
ただ、エアセルは将来的に国際線でもサービスを提供できるよう、衛星を使った
国際接続業者との提携を考えている。
アメリカンのほかには、サウスウェスト航空が08年に機内ネットの試験提供を始める予定で、
現在は接続業者の選定を進めており、ジェットブルーも子会社のライブTVを通して
08年に電子メールやテキストメッセージのサービス提供を目指している。
ニュースソース
http://www.usfl.com/Daily/News/07/08/0803_013.asp?id=54591