上海の不動産価格が高騰を続け、“不動産バブル”が再燃しつつあるとの懸念が
出始めた。国家統計局などが発表した全国70都市不動産価格表によると、上海
では年間わずか1・2%しか上がっていないとされているが、実際には市街地
マンションが月10%超で値上がりを続けている。
上海市のトップ、陳良宇・党委員会書記が昨年秋に汚職で解任されて以降、上海
の“不動産バブル”は冷え込んだことになっている。国家統計局と国家発展改革
委員会が7月に発表した統計によると、来年、五輪を開催する北京の6月時点の
平均価格が前年比109・5%になるなど、ほとんどの都市で値上がりをして
いたが、昨年夏まで中国で最も値上がり率の高かった上海は、同101・2%と
ほとんど横ばい状態で、70都市中68番目の低さだった。
上海の不動産価格は陳書記が解任されるまではバブル状態といわれるほど高騰を
続け、2003年から06年までの3年間に2倍になった地域も出ていた。
このため胡錦濤政権は上海市政府に対し過熱する経済の沈静化をたびたび要請
したが、経済発展優先政策を採る陳書記が指示を無視、これが解任の背景と
いわれていた。
しかし上海の不動産価格は、今年2月ごろから値上がり傾向を見せ始め、習近平
新書記の体制が発足した3月になって一気に過熱し始めていた。
例えば上海駅周辺のマンション売り出しに購入希望者の長い列ができ始め、100
平方メートルの部屋が2月に120万元(約1920万円)だったのが、わずかの
間に160万元(約2560万円)に上がった。
今年5月に購入した中古マンションの部屋が、2カ月後の7月には20%以上も
値上がりしたというケースもあり、上海の中心部全般で5月以来、毎月10%超
のスピードで不動産価格が上がっていることがわかった。
人気物件の多い浦東地区だと、04年に80万元(約1280万円)だった物件が
今では、250万元(約4000万円)超で取引されているという。
こうした異常な高騰ぶりについて上海の不動産業者は「習体制が発足し、上海に
対する中央の締め付けが峠を越したということが一つ。もう一つは、乱高下する
株式市場に流れていた資金が、より安全な不動産に流れ始めたためだ」と、説明
している。
また、上海市では中心部のマンション建設が規制され、物件そのものの絶対数が
不足しつつあるのも背景にあるという。
ニュースソース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070804-00000070-san-int