富士ゼロックスは、中国で複写機の資源循環リサイクルの構築に乗り出す。日本で現在99・9%の再資源化率を
実現している資源循環方式を深セン、上海の2工場に展開し、部品や部材をほぼ100%再生利用する。
同社は東南アジア、豪州など9カ国で販売した使用済み複写機についてはタイで再資源化に進めている。
今回の中国での本格展開が始まると、複写機で初の国際的な資源循環リサイクルが動き出すことになる。
同社は95年から複写機の資源循環リサイクルの研究を開始。「インバースマニュファクチャリング」(逆製造)に基づく
クローズドループシステムを、設計から生産ライン、プラスチックのリサイクルと展開してきた。
この方式は回収した複写機を分解、洗浄したうえで、リユース(再使用)・リサイクル(再生)して新品と同じ品質の
複写機を供給する。リユースに回らない鉄、プラスチック系部品は44分類して国内の専門業者と組んで処理している。
複写機市場がカラー複写機にシフトしているため、富士ゼロックスでのリサイクルによる生産台数は04年の2万6000
台から、05年、06年は各1万数千台に急落。06年はカラー複写機へのリサイクル対応が進んだことから、再び台数が
戻ってきている。部品リユース率は重量比で68%へ高まる。トータル再資源化率99・9%で、事業損益は06年度
3億8000万円の黒字だったという。
この事業を現在進めている鈴鹿富士ゼロックス(三重県鈴鹿市)に加え、量産ラインがある中国の深セン、上海の
2工場でも展開する。米ゼロックスから事業買収し、01年から現地生産を開始。現在、富士ゼロックスが販売する
複写機の80%を中国で生産し、20%を日本(カラー大型機や印刷市場向けなど)で行っている。日本で開発した
資源循環方式を導入、使用済み複写機とカートリッジの回収・リユース・リサイクルを事業化する
ソース:
http://www.nikkan.co.jp/hln/nkx0120070724000aaac.html