国立情報学研究所(NII)は、従来より高速化し、セキュリティが高く利便性の
アップしたサービスが提供できる、新たな学術情報ネットワーク「SINET3
(Science Infomation NETwork3:サイネットスリー)」
を6月から本格運用開始したが、同研究所の研究成果を紹介する例年行事のオープン
ハウス2007の場で、6月8日に『SINET3開通式』を実施した。
SINET3は、NIIが大学等と連携して構築を進めている、最先端学術情報基盤
「CSI(Cyber Science Infrastructure)」構想の
中核となるネットワーク。開通式では坂内正夫・NII所長が、学術イノベーション
による未来価値創出へ向けて「SINET3」の本格運用開始と、「CSI」の開始
について宣言した。また、関係者を代表して坂内所長、文部科学省研究振興局の
勝野頼彦・情報課長、NTTコミュニケーションズの和才博美・社長の3氏が
そろって「SINET3」のスタートを祝い開始スイッチを入れた。
「SINET3」は、光IPハイブリッド技術と最大40Gbps(ギガビット/秒)
という、NTTコミュニケーションズが提供する世界最速の光基幹回線を採用した、
世界初の先進機能を搭載した学術情報ネットワークである。この「SINET3」
には、国内の大学、大学共同利用機関、研究独立行政法人など700以上の利用機関
が接続。また、米国の次世代インターネット開発プロジェク「Internet2」
が運用する研究用テストベッドのAbiliene、欧州委員会が政策的に展開する
汎欧州研究ネットワーク「GEANT」などの、海外の研究ネットワークとも相互
接続している。
NIIが大学などと構築を進めている「CSI」は、「SINET3」をインフラと
して、その上で大学・研究機関としての認証システムを開発・実用化したり、
連携ソフトウェアとしての研究グリッドを実用展開するほか、大学図書館などと
NII連携による学術コンテンツの構築・提供、機関リポジトリ形成、世界的
ソフトウェア・データベースの形成、人材育成・ノウハウの蓄積、さらには、
ネットワークを介してのバーチャル研究組織の構築などを目指した、最先端学術
情報基盤構想である。
その構築は、最先端の学術情報基盤が、今後の学術・産業分野での国際協調・
競争の死命を制するという考えに立っており、その中核となる「SINET3」
では、欧米の先進的研究ネットワークに劣らぬ、世界最先端の技術、機能を採用
して、先進的なサービスを実現している。
「SINET3」では、東名阪を最速の40Gbps高速光回線で中継しており、
他の全国中継回線も10?Gbps光回線で結んだ。複数のループ構造で構成
した全国ネットであり、障害発生時の高速迂回など、従来にも増して中断のない、
安定サービスが提供できるネットワークとなっている。
続きます。ソースは
http://tech.braina.com/2007/0711/it_20070711_001____.html