中国自動車市場の拡大に期待 天津貨物便
日本航空(JAL)グループの成田−中部−天津を結ぶ国際貨物便(復路は天津−成田)が十一日、新規就航した。
トヨタ自動車が天津で五月に第三工場を稼働し、中部国際空港で関連部品の空輸需要が見込めるためだ。
日本航空インターナショナルの福地隆夫取締役は「自動車は補修部品で一定の需要が見込める。路線の拡大も検討したい」と中部と中国国内を結ぶ貨物便の就航拡大に意欲を示した。
天津は自動車部品や液晶、ハイテク関連で貨物需要が大きい。
中部から大幅撤退を決めた全日本空輸(ANA)も、成田−中部−天津の週五便は継続させる方針を出している。
今年六月に、自動車調査会社のフォーイン(名古屋市)が集計した二〇〇六年の世界主要六十四カ国の自動車販売台数では、中国が国別で初めて日本を抜き、米国に次いで二位となった。
今後も中国の自動車市場は伸び続けるとされており「生産量が大きければ補修も多くなる」(JAL)とのもくろみがある。
JALは中国国内で既にトヨタのほか、ホンダ、日産が工場進出した広州と成田を結ぶ国際貨物便を週二回運航。
上海や大連、香港などと成田、関空、中部を結ぶ便を、現在の計週十七便から今年十月には計週三十便に増便する計画もある。
ただ、空輸は海運の数倍高いと言われ、コスト競争が激しい自動車業界が利用するかどうかは未知数だ。
十一日に就航を開始したJALの天津便も最大積載量が約五十五トンの機体にもかかわらず、
実際、成田、中部から積んだ貨物はわずか計十トンにとどまった。
JALは「量を運べば海運との価格差は縮まる。貨物、運送会社に働きかけていきたい」と営業活動を強化していくことを示した。
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