六月下旬に行った石狩市立南線小体育館の入札をめぐり、
市側のミスで入札予定価格より高く設定したことが分かり、市は定例市議会最終日の三日に
予定していた工事請負契約案の提案を急きょ取りやめた。
入札では本来の予定価格より約三千七百万円高く落札した。
田岡克介市長は同日の市議会で「今後、調査委員会を設置して検証したい」と陳謝した。
市によると、本来の入札予定価格は三億三千二百九十五万円。
だが予定価格を設定する際に、本体工事のみをまとめたファイルに、電気や設備工事を含んだ
書類が誤ってとじられ、担当者がよく確認しないまま、約五千四百万円高い三億八千六百九十五万円
に設定した。業者に提示した図面などの仕様書は正しい本体工事だけのものだった。
入札は六月二十八日に行われ、六共同事業体(JV)が参加。地元企業四社でつくるJVが
三億六千九百六十万円で落札した。市は二日に最終確認し、初めて入札予定価格の誤りに気付いた。
市は調査委員会を四日設立する。各部署で調査した上で、近く市議会に報告する。
市は二日、落札業者に状況を説明し、契約解除の了解を得たという。
今月中にあらためて入札を行い、契約案を臨時市議会に提案する方針だ。
落札したJV業者のうちの一社は「業者も行政もお粗末。われわれとしては、やりきれないが、
(入札解除も)仕方ない。ただ、財政難の折に、(市は)随分、古い時代のコスト意識なんだなと驚いた」と話している。
市議からは「入札が終わってからの提案の取りやめは問題だ」と市側のチェック体制に非難の声が上がっている。
北海道新聞の取材に対し、田岡市長は「単純なミスで迷惑をかけ、深くおわびします。
再発防止に努めるとともに、より入札の透明性を確保したい」としている。
ソース
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/society/35983.php