財務状況の改善を進めている横浜市の第三セクター「パシフィコ横浜」(横浜市西区、岡本坦社長)が
三日までにまとめた二〇〇七年三月期決算は、売上高、経常利益ともに過去最高を記録した。
同社は一〇年度に財務改善の達成などの必達目標を掲げて営業活動を強化。新たな収入源として
ネーミングライツ(命名権)の検討を始めるなど、”攻めの経営”を鮮明に打ち出している。
〇七年三月期(〇六年度)は、景気回復を背景に大規模イベントの開催が増加。
特に、国立大ホールでは大企業の行事や海外からの利用が増え、会場使用料収入が二十八億円、
来場者数が三百四十四万人と、ともに過去最高になった。
売上高は前期比3・5%増の七十六億五千九百八十三万円、経常利益が同6・6倍の
七億九千四百八十五億円、純利益が同7・4倍の四億六千五百二十九万円と、
いずれも過去最高を記録した。
同社は〇五年度末に繰越損失額が九十二億円に達するなど財務状況が悪化していた。
経営再建の一環で減資を行い繰越損失を解消。横浜市から百六十億円の低利融資を借り受け
銀行からの変動金利借入金を返済した。
一方で、財務改善に向け一〇年度の純利益を三億八千百万円以上に設定するなどの数値目標を定め、
横浜市と結んだ「協約」で達成を義務付けた。一一年度からは配当開始を目指している。
必達目標の実現のためには、営業力を強化して収益構造を安定化させることが急務。
誘致が実現しなかった〇八年夏の主要国首脳会議(サミット)の主会場に指定されていたため、
業績への影響が懸念されたが、同社総務部は「営業努力により、医学会や企業イベントなど、
六〜七割が埋まりつつある。今後はかなりの予定が埋まるのでは」とみる。
また、新規事業として、ネーミングライツを導入することも視野に入れて検討を開始。
〇五年度に六千万円の増収を得た広告事業を拡充する方針だ。
◎ソース 神奈川新聞
http://www.kanaloco.jp/localnews/entry/entryxiijul070759/