道内二十五信金の中で、預金量三位の札幌信金(札幌)と九位の空知信金(岩見沢)を軸に、
道央圏の複数の信金が合併し、預金量一兆円超の信金を誕生させる構想が浮上していることが
五日、分かった。
道央圏の他の信金にも参加の打診を始めたもようだ。
ただ、道央圏の信金の間には、参加すると結局、札幌信金に吸収されてしまうとの警戒感もあり、
実現には紆余(うよ)曲折が予想される。
複数の信金関係者によると、札幌、空知両信金は四月中旬、
「それぞれの自己査定のレベルアップを図る」との名目で、別の道央圏の信金を含めた計三信金で、
貸出先の経営状態を示した自己査定資料を互いに開示した。
これは信用金庫の経営実態が把握できる最重要資料の交換で、
信金業界では「三信金は水面下で合併も視野に入れた検討を事実上、開始した」と受け止められている。
軸となる札幌信金の二○○六年三月期の預金残高は三千九百三十三億円、
空知信金は二千七百十三億円。総額は六千六百四十六億円と、
現在トップの旭川信金(旭川)の六千四百六十三億円を抜き、二信金の合併だけで道内一位に浮上する。
さらに、中下位の信金が複数参加すれば一兆円を突破。全国でも二十五位前後となる。
この構想について、札幌、空知両信金の幹部は北海道新聞の取材に対し、
「どういう組み合わせが良いかは常日ごろから考えている」「一兆円信金の構想は理想形としてはある」と話している。
道内金融業界では現在、北洋銀、道銀と本州大手行の中小企業向け融資競争が激化。
十月以降は住宅ローン分野への進出を明言した郵貯銀行との顧客の奪い合いにさらされる。
さらに、少子高齢化、人口減にも直面。将来、道内で二十以上の信金が生き残るのは厳しいとみられ、
規模を追求する大規模再編が強く意識されるようになっている。
ソース
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/economic/30489.html