【携帯/コラム】auがおサイフケータイに“本気”になった理由[07/05/30]

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1窓際店長見習φφφ ★
 au、ソフトバンクモバイルの夏商戦モデル発表から1週間が経ち、“ケータイ夏の陣”を前
にしたメディアの報道合戦も落ち着き始めている。5月25日には、ドコモが先陣を切り、
「FOMA N904i」と「SH904i」を発売。2in1の初日トラブルという不運に見舞われたものの、
いよいよ夏商戦の幕が切って落とされた。ドコモの反撃が見事に決まるか、それともauと
ソフトバンクモバイルがいっそう躍進するか。ここから先は店頭での勝負になる。

 さて、前回のコラムでは触れなかったが、今年の夏商戦モデルには注目ポイントがもう
1つある。それは「auのおサイフケータイに対するスタンス」である。

 auの夏商戦ラインアップを見渡してみると、おサイフケータイが多いことに気づく。auの
おサイフケータイであるEZ FeliCa対応機種は11モデル。今回、発表された夏商戦ライン
アップは全部で15機種だが、主力になるCDMA 1X WINのラインアップ12機種の中でEZ
FeliCa非対応なのは、シンプル路線でマイナーバージョンアップの「W44K II」のみという
状況だ。実質的な新商品である11機種はすべておサイフケータイになっている。auは今年
の春商戦から、第2世代モバイルFeliCaチップの搭載を開始し、おサイフケータイのライン
アップを増やしてきたが、夏商戦ではそれが徹底された形だ。

 さらに今回、auはモバイルFeliCaを使った新機能「Touch Message」を投入。FeliCaを
使ったサービス面でも、これまでの“ドコモの後追い”という状況を打ち破った。昨年の
夏商戦では、auはおサイフケータイ分野に極めて消極的な姿勢だったが、今年は老舗の
お株を奪う勢いの積極姿勢だ。auが、いよいよおサイフケータイに「本気になった」ようだ。

 これはFeliCaのサービスを提供する事業者にとって、良い傾向と言えるだろう。なぜなら
auのユーザーの方が、おサイフケータイの各種サービスを積極的に活用する傾向にある
からだ。筆者がこれまで取材した先行導入事例でも、「auユーザーの利用意欲や利用率
は高い」という声はよく聞いてきた。

 なぜ、auユーザーはおサイフケータイと“相性がいい”のか。

 その鍵になるのが、auユーザーのパケット料金定額制の加入率だ。auではダブル定額
など加入しやすい定額制プランを導入、同時に音楽分野を筆頭に魅力的なリッチ
コンテンツサービスを訴求したことにより、WINユーザーの定額制加入率は約77%と高い。
これに対してドコモのFOMAでは、パケット料金定額制加入率が27%しかない。

 この定額制の環境下で、auユーザーは様々なコンテンツやサービスを積極的に使って
いるので、新たなサービスに対する感度やリテラシーが高いのだ。ここがおサイフケータイ
分野でも有利に働く要因になっていると考えられる。
(続きは>>2-10
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/0705/30/news021.html
2しゃぎり ◆d......inc @窓際店長見習φφφ ★:2007/05/30(水) 20:56:28 ID:??? BE:5486494-2BP(7788)
>>1の続き)
 また、ユーザー心理でも、電子マネーのチャージやポイントの確認や交換で「従量制の
パケット料金」は使いたくないだろう。定額制ならばこそ、おサイフケータイの様々な
サービスに利便性を見いだせる。極論すれば、おサイフケータイ利用の前提は「パケット
料金定額制を利用していること」であり、その加入率がドコモより高いauには、おサイフ
ケータイの利用促進がしやすい土壌がある。

 さらにauのおサイフケータイでは、トヨタファイナンスのQUICPayとの連携も注目である。
auは昨年の冬商戦からすべてのおサイフケータイにQUICPayのアプリをプリインストール
しており、トヨタファイナンスはこのQUICPay分野において、目下、JCBを上回る姿勢と勢い
で会員を増やしている。

 auとトヨタファイナンスの連携は、東京にいるとあまり気付かないかもしれない。しかし、
トヨタファイナンスのお膝元である名古屋では、今年に入ってから積極的に行われている。
名古屋ではトヨタ本社が入るミッドランドスクウェアを筆頭に、駅前から繁華街にQUICPay
加盟店が急増。auとトヨタファイナンスは共同で、QUICPayの会員獲得と利用促進の
キャンペーンを行っている。

 トヨタファイナンスではクレジットカード事業「TS CUBIC CARD」とトヨタの国内販売ビジネス
のポイント連携を重視しており、その中でQUICPayは“新規顧客層”獲得の戦略的な取り
組みと位置づけている。ここに、auのおサイフケータイと連携していく鍵がある。

 「TS CUBIC CARDはトヨタ車と連携するカードなので、カード所有者は男性が多い。年齢
層も高めで30代後半から50代にかけてが現在主流の顧客層になります。家族カードの
発行数も相当数ありますが、メーンの会員様が年齢層の高い男性であるのは事実です。

 そこでトヨタファイナンスがQUICPayの普及を推進する狙いには、『女性層の会員拡大』が
あります。auのおサイフケータイと(プリインストールされた)QUICPayによる会員獲得では、
トヨタディーラーや(提携カードを発行する)JOMOを窓口にするのとは違う会員獲得が
できる。ここは女性層や若年層にリーチしやすいですし、相当な力を入れていきます」
(トヨタファイナンス 執行役員 総合企画部長の後藤清文氏)

 おサイフケータイに本気になったauと、おサイフケータイに期待するトヨタファイナンス。
この組み合わせは、ドコモと三井住友カードや、JR東日本に匹敵する市場の牽引力を
持つだろう。

 質と量の両面で、auがおサイフケータイ分野に力を入れてきた波及効果は、想像以上に
大きくなるかもしれない。
(了)