小浜水産高校(小浜市堀屋敷)は24日、食の安全を高レベルで管理するシステムで、
世界標準にもなっている「HACCP」(危害分析・重要管理点)の認定をサバの缶詰製造
で取得した、と発表した。全国の教育機関では2例目という。元々は米航空宇宙局(NASA)
が開発したことから、同校は「缶詰を宇宙食に」とNASAにも働きかけているといい、
生徒らは実現を夢見て実習に励んでいる。
HACCPは食品に発生する可能性のある危害を明確にし、それを防ぐ管理システム。
従来行われてきた最終製品の抜き取り検査と異なり、原材料から消費段階までの
工程管理・点検を徹底する。食の安全確保で販売競争力もつくことから、米・欧州各国
でも採り入れているが日本はまだ遅れているという。
小浜水産高の実習工場では、サバの缶詰(年間生産8千缶)のほか、サバのへしこや
小鯛の笹漬(ささづ)け
を生産している。同校は地域に先駆けた技術習得と人材育成を目指し、04年度から、
HACCP取得に取り組み、まず教員が研修を受けた。
05年度には、認定機関の社団法人・大日本水産会に製造工場の査察をしてもらった。
その結果、塩素が添加されていない井戸水の使用、包丁などの刃欠けの探知方法など
設備面で問題点があり、工程面でもサバ解凍の温度管理や排水口消毒の不徹底が
指摘された。
その後、これらの設備を改善。近年新しく導入された教科「水産食品管理」でも、
「HACCP導入を仮定した授業」を採り入れ、製造手順を検証し改善方法を考えた。
実習ではサバ解凍、殺菌、缶のふたの検査に至る七つの工程ごとに問題がないか点検し、
記録することにした。
その成果で06年末に大日本水産会からHACCP認定を受けた。製造にあたる食品工業科
では5月下旬から、その手順に基づいたサバ缶詰の製造を本格的に始めた。3年の
中山祐平さん(17)は「細かい注意が必要だがやりがいがある。水産加工関係の
就職にも役立つ」と話していた。
ソースは
http://mytown.asahi.com/fukui/news.php?k_id=19000000705250005