昨年4月に開校した私立の同志社小学校(京都市左京区)と立命館小学校(同市北区)が
ともに教育の一環として今年から囲碁を取り入れ、子供たちに好評だ。
関西棋院からプロ棋士を講師に招く本格的な内容。
東京都国分寺市の早稲田実業学校初等部でも昨年、クラブ活動で囲碁部を新設し、こちらも
プロ棋士が指導にあたる。
囲碁が脳の活性化に役立つという研究もあり“ブランド小学校”の取り組みが注目を集めている。
同志社小では今年1月から、最上級生だった3年生全員(約60人)に対し、総合的な学習にあたる
「道草の時間」に囲碁を導入。思考力や判断力をはぐくむのが狙いで、「伝統文化を大事にする」
「本物に触れる」という学校の方針とも一致したという。
囲碁を知らない児童がほとんどだったが、関西棋院から田村千明二段を講師に招き、3月までに
6回の囲碁教室を開催したところ、すぐにルールを覚えて熱心に取り組むようになったという。
奥野博行副校長も「子供たちがこんなに囲碁を好きになるとは思わなかった」と驚く。
「囲碁には、相手の考えを読みながら自分なりに作戦を立てる大局的な思考が必要。勉強ではなく、
教養と位置づけています」と奥野副校長。結果が上々なことから、今年度は2年生から最上級生の
4年生まで拡大する。
一方、立命館小でも今年4月から、研究顧問を務める東北大学の川島隆太教授からの「囲碁が脳の
活性化に役立つ」とのアドバイスを受け、囲碁教室を開設。放課後に希望者が参加する課外活動の
「アフタースクール」に導入し、同志社小と同様に、関西棋院のプロ棋士を講師として招いている。
現在は、2年生から最上級の4年生の約60人が週1回、囲碁に取り組んでいる。
同スクールで2回目の講師を務めた関西棋院の藤原克也六段は「最近は一人でテレビゲームなどを
する子供が多いが、囲碁は人間同士。本当の楽しさや悔しさがある」と強調。「子供たちに喜んで
もらえれば、棋士にとってもうれしい。今後も積極的に協力したい」と意気込みを見せた。
荒木貴之教頭も「戦略的思考を養う囲碁は、リーダー育成に役立つほか、世代を超えた交流もでき、
教育的意義がある。今後、ほかの学校にも広がるのではないか」と話している。
一方、早稲田実業初等部では昨年6月、クラブ活動として囲碁部が発足。女流棋聖の梅沢由香里五段
の指導で4〜6年生の約20人が参加した。
同校では「囲碁は、あいさつに始まり、礼儀作法を重んじるもの。相手とのコミュニケーションを
学ぶ意味で効果があった」と評価。子供たちもいきいきと楽しそうにしており、今年度もクラブ活動
を続けていく。
◎ソース iZa(産経)
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/education/50050/