リコー(本社・東京都、近藤史朗社長執行役員)は二十三日、半導体製造の
新潟精密(本社・上越市、池田毅社長)と半導体事業について業務提携を
締結したと発表した。
リコーが強みとするCMOSアナログ半導体技術と、新潟精密が保有する
CMOS高周波無線技術が融合することで、リコーは携帯機器(携帯電話)、
ワンセグチューナーなどへの進出を強化し、新潟精密はリコーの生産・
販売力を追い風に、生産能力や自社既存製品販売の事業拡大が図れる。
リコーは国内外でトップクラスのシェアを持つ携帯機器向け電源制御ICを始めとした
CMOSアナログ製品、パソコン向けインターフェースLSIなどで、国内外で高い
評価を得ている。新潟精密は今年三月に、業界で初となるフルCMOSワンチップ化の
ラジオチューナー用ICを開発。九割を超える外付け部品の削減を実現する
独自技術にも定評がある。CMOSは半導体回路の一種で低消費電力に
優位性がある。
両社の業務提携は製品開発、生産、販売の三本柱。製品開発では、成長市場である
携帯機器分野でラジオチューナー、トランスミッタ、ワンセグテレビチューナーなどのICを、
新潟精密の独自技術であるフルCMOSでワンチップ化した製品を共同で開発し
今年下期から発売に向かう。同技術で外付け部品が大幅に削減できるため、
携帯機器への普及加速が期待される。
生産では、新潟精密の既存製品、今後の共同開発製品を含め、CMOSアナログ製品で
量産技術を有するリコーが担当、販売はホームラジオやカーラジオ、携帯電話、
パソコン、デジタル家電などを市場に、両社が得意市場と地域を分任することで
総体的な販売拡大を図る。
http://www.joetsu.ne.jp/times_news/index.php?kiji=782