4月17日、人民網や新華網などをはじめとした多数の中国メディアが、
「『サイバー万里の長城(Great Firewall)』により、中国から百度日本へのアクセスが
禁止された」と報道している。
実際に、現在中国から百度日本に接続を試みても接続ができない状態だ。
中国最大の検索ポータル百度の日本版サービス「百度日本」は3月22日に開始されたばかりだ。
百度日本では、画像検索でアダルトキーワードを入力すると、モザイクなしのそのものずばりの
画像が出てしまう。中国では、そうしたアダルト画像などのWeb公開は政府によって禁止されており、
中国内のサイトでは見ることができない。
このため、中国内の利用者間で、百度日本で画像検索すればアダルト画像が見られることが広まり、
百度日本にアクセスが殺到したという事情がある。
実際、4月17日現在、Alexaでbaidu.jpのアクセスを調べてみると、アクセス元は日本(32.4%)より
も中国(61.6%)のほうが圧倒的に多いことがわかる。また、百度日本内のアクセス先も
画像検索へのアクセスが76%を占め、メインであるはずのWeb検索(24%)をはるかに上回る
利用実態が浮き彫りとなっている。
百度日本のサービス開始以降、中国のニュースサイトや個人ブログで「百度日本でこうすれば
エロ画像が閲覧できてしまう」 とした上で、それを「けしからん」という趣旨で紹介する記事が
数多く書かれている。その結果、百度日本が「エロ画像を検索するのに最適」と中国では広く
認知されてしまい、アクセスが殺到したかたちだ。
中国では、4月12日に「全国依法打撃網絡淫穢色情専項行動電視電話会議(意訳すると中国全土
エロサイト撲滅行動テレビ電話会議)」が北京で行なわれており、この会議と今回の措置に
関連があると中国メディアは見ている。
このニュースに、多くのメディアは最後に「このような状況に陥り、李彦宏(百度CEO)の
国際化の道は平坦でない」とコメントしている。
なお、百度日本で「アダルト」というキーワードで画像検索を行なうと、全てというほど
多くはないが、検索結果表示ページ1ページにつき1〜数枚程度はモザイクなしと思われる画像が
表示される。非常に多いというほどではないため、百度日本でもアダルト画像を排除する
なんらかの処理はされていると考えられる。しかし、始まったばかりのベータサービスという
こともあり、また中国はネットインフラ自体がアダルトコンテンツを拒んでいることから
中国ではフィルタリングをする必要がない。こうした事情から、百度ではGoogleなどに比べて
そうした情報のフィルタリングが甘いのではないかと思われる。
◎ソース INTERNET Watch
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2007/04/17/15452.html ◎『百度日本』
http://www.baidu.jp/