映画著作権団体のMotion Picture Association(MPA)は、
マレーシアに配備された、海賊版CD/DVD捜査に挑むラブラドール犬による、
約1カ月におよぶ試験捜査プロジェクトの途中経過を発表した。
MPAには、ハリウッドのParamount Pictures、Twentieth Century Fox、
Warner Bros. Picturesなどが参加しており、映画著作権を侵害する海賊行為の撲滅を訴えている。
昨年、アジア太平洋地域でMPAが参加した海賊行為摘発プロジェクトにより、
海賊版ディスク製造拠点を50カ所、違法コピーに使用された複製装置を4,482台、
海賊版DVDディスクなどを3,500万枚以上も差し押さえることに成功したとされるが、
依然として同地域における海賊行為による被害は深刻であるという。
こうした事態を重く見たMPAは、CD/DVDディスクに使われているポリカーボネートなどの
物質を嗅ぎ分けられるように、特別な訓練を犬に施す実験を2004年に開始。
以後、北アイルランドで爆発物を探知できるように犬を訓練する専門家が、
ラブラドール犬の「ラッキー」(Lucky)と「フロー」(Flo)を8カ月に渡って訓練したという。
その後、英国ロンドンのスタンステッド空港(London Stansted Airport)で行われた
世界初の捜査テストにおいて、貨物の中に隠されたCD/DVDディスクを見事に発見できた
とされている。
ラッキーとフローは、マレーシアで先月スタートした海賊行為の一斉摘発強化プロジェクト
「Operation Double Trouble」に参加。
クアラルンプール、ジョホールバル、ペナンや国境地帯に配備されて、
その摘発効果への期待が寄せられていた。
今回の発表では、これまでのラッキーとフローの活躍により、
ジョホールバルでは6件の海賊犯逮捕に結びつき、US286万ドルの被害額に相当する
海賊版ディスクが押収されたことが明らかにされている。
また、クアラルンプールでは、マレーシア政府の国内取引消費者行政省(MDTCA: Ministry
-of Domestic Trade and Consumer Affairs)の17名の捜査官では発見できなかった荷物の中から、
大量の海賊版DVDディスクを嗅ぎ分けることに成功、US43万ドルの被害額に相当する、
約15万枚の海賊版ディスクの押収と犯人逮捕に貢献したという。
MPAアジア太平洋地域ディレクターのMike Ellis氏は「ラッキーとフローが、
人間の捜査官の目をかいくぐった荷物の中から(海賊版ディスクを)発見できたという
今回の成果は、司法機関へのサポート面で、海賊版捜査に臨む犬の果たす役割が
非常に大きいものであることを実証している」とコメントした。
◎ソース マイコミジャーナル
http://journal.mycom.co.jp/news/2007/04/09/027/index.html