最前線:ガイド発刊で存在感−−日本ミシュランタイヤ、フランソワ・ビュッソン社長
ホテルやレストランを「三つ星」などの格付けで評価する伝統的なガイドブック「ミシュランガイド」の
東京版が、今年11月に刊行される。これまでパリやニューヨークなど18種類のガイドが発売されているが、
アジア地域のガイドは初めて。日本ミシュランタイヤのフランソワ・ビュッソン社長に、
ガイド発刊の狙いなどを聞いた。
【このへん省略】
−−東京版を発刊する狙いは?
◆二つの効果があると思います。第一には、日本でのミシュランのブランドや製品への
認知度を高められることです。東京オリンピックが開かれた64年に日本に進出して以来、
外資系の会社としては大きな存在感を築く努力を続けてきましたが、まだ国内メーカーと
肩を並べるまでには至っていないのも事実です。
活動の幅を広げることで、存在感を高めていきたいと考えています。
−−もう一つは。
◆東京という街が美食の分野で世界の三本の指に入ることを、世界に伝えられるということです。
フレンチやイタリアンの評価では実績があっても日本料理は大丈夫かという懐疑心を持つ人も
いるかもしれませんが、専門調査員がきちんとプロの評価をします。
昨夏から日本人とヨーロッパ人の混成チームで、匿名でホテルやレストランを回って調査しています。
−−どのくらいの部数を期待しますか。
◆ニューヨーク版は12万5000部を売り上げましたが、日本のレストランの潜在力や
消費者のレベルを考えると、この数字を超え、タイヤ事業の存在感向上にも貢献すると期待しています。
−−タイヤ事業をどう強化していきますか。
◆私たちは世界2強の一角で、世界で20%近いシェアがありますが、日本は非常に重要な市場です。
このため単にタイヤの輸入販売だけでなく、群馬県太田市に研究開発センターと工場を持ち、
消費者の厳しい要求に応える努力をしています。製品の質では冬用タイヤで3年連続の
顧客満足度ナンバーワンを獲得するなど、着実に評価をいただいています。
今後も認知度を高め、取扱店を増やすなど強化策を打っていきたいと思います。
◇フランソワ・ビュッソン社長
70年仏パリ政治学院卒業。74年ミシュラン入社。ミシュラン・ナイジェリア社長、
日本ミシュランタイヤ社長、全部門ヨーロッパ販売管理担当役員などを経て、
05年9月から再び日本ミシュランタイヤ社長。パリ出身。57歳。
毎日新聞 2007年3月26日 東京朝刊
http://www.mainichi-msn.co.jp/keizai/kigyou/news/20070326ddm008020136000c.html