牛乳生産が過剰となり、昨春に続いて今春も廃棄される懸念が強まっている。
野菜ジュースや茶、豆乳との競合などによって予想よりも需要が落ち込んだうえ、
暖冬の影響で牛の乳の出がよくなって、生産者団体が進める減産のペースが鈍化
しているためだ。
06年4〜12月の牛乳消費量は前年同期比3.1%減の290万トン。生産者団体の
中央酪農会議は06年度の年間消費量を同1.5%減とみていたが、予想以上に
落ち込んだ。
同会議は、脱脂粉乳や牛乳などの原料となる生乳の06年度の生産量を、前年度
より1.5%少ない749万トンにする計画を立てた。06年4〜12月の生産量は同2.5%減
にとどまり、計画を上回る減産実績をあげたものの、通常なら生産量が減るはず
の冬場が暖冬となって乳の出がよかったため、「昨秋からは減産ペースが鈍化
している」という。
減産の鈍化と需要減のダブルパンチに見舞われ、学校給食がなく、牛乳の需要が
細る春休み期間(3月下旬〜4月上旬)に生乳が余剰となる可能性が出てきた。
危機感を募らせた中央酪農会議は酪農家に対して減産の徹底を、乳業メーカーに
対しては生乳の取り扱いを増やすよう、要請した。酪農家の「自家消費」拡大も
呼びかけているが、消費低迷の特効薬とはなりそうもない。
昨春は北海道で約900トンの生乳が廃棄処分され、社会問題になった。生産計画は
中央酪農会議が自主的に決めているが、農林水産省は「2年連続で廃棄となれば、
国としても需給安定策を考えざるを得ない」と述べ、介入に踏み切る可能性を
示唆している。
ソースは
http://www.asahi.com/life/update/0226/004.html