ペットボトルに入った牛乳が年内にも店頭に並ぶかもしれない。内閣府の食品安全委員会が先月、牛乳容器への
使用を認める評価案をまとめたからだ。手軽でデザインが豊富なペットボトル容器は若者の心も引きつけやすい。
「牛乳離れ」に悩む生産者らは「消費回復の起爆剤に」と期待を寄せるが、紙パックと比べた容器コストの高さや
衛生上の不安などハードルも多い。
「手軽に飲めて、若者にもなじみがある。これで形の上では、ほかの飲料と同じ土俵に立てる」
北海道豊頃(とよころ)町の農事組合法人「Jリード」の井下英透代表(48)はペットボトル容器解禁の動きを
歓迎する。生産過剰に消費低迷が重なり、昨年道内では大量の生乳が廃棄された。乳牛450頭を抱えるJリ
ードでも約200トンの廃棄を余儀なくされた。苦い経験があるだけに、新容器にかける期待も大きい。牛乳容器
の内側に使用できる合成樹脂は、厚生労働省令で現在、紙パックの内側で使っているポリエチレンなど2種類
に制限されている。このため、ポリエチレンテレフタレート(PET)でできたペットボトル容器は使えなかった。
このため、業界団体の日本乳業協会が使用可能リストにPETを加えるよう要請。食品安全委は先月、「適切な
条件下で管理される限り、十分な安全性を確保している」との評価案をまとめた。国民からの意見募集などを
経て、秋にも販売が可能になる見通しだ。日本乳業協会の松崎勝・生産技術部長は「ペットボトルなら中身が
見えて、よりおいしく感じるし、一度開けてもふたを閉めれば冷蔵庫の中に横倒しにしておける。ストロー付き
の紙パックに比べ、形状やパッケージデザインの幅も大きく広がる」と話す。(以下略
http://www.sankei.co.jp/seikatsu/shoku/070209/shk070209000.htm