三菱自動車工業が、フィリピンで模倣部品を販売している2社に対し、賠償金と謝罪を
求める警告を発し、応じない場合は法的措置に訴えることも辞さない強い姿勢を
示している。同社広報担当者がNNAに明らかにしたところによると、フィリピンで
知的財産(IP)に関するこうした動きを取るのは今回が初めてという。
三菱自は当地で知的財産に関する法務問題を扱うベンソン・ネグレ法律事務所を通じ、
7日付地元紙に同社の純正部品の使用を訴えると同時に、模倣部品を輸入、販売、
流通している違法業者に対し、商標権を侵害し公正な市場競争を妨げているとして、
躊躇(ちゅうちょ)なく法的手段に出ることを示唆する通達を掲載した。これら業者が、
知的財産法(共和国法第8293号)に違反しており、2〜5年の禁固と5万〜20万ペソの
罰金の対象になると指摘している。
三菱自本社(東京・港区)の担当者は7日、NNAに対し、フィリピン国内で模倣部品を
扱う2社が浮上し、先ごろ謝罪と賠償金を求める書面を送った。このうちの1社、
RNYオートパーツ・セールスからは1月25日インクワイラー紙面に、オイルフィルターなどの
模倣部品を販売していたことを認め謝罪する広告が出されたが、もう1社からは何も
返答がないという。
同担当者の説明では、三菱自は中国を中心に世界各国でこうした案件を年間20件ほど
抱えるが、実際に訴訟にまで至ったケースはこれまでない。ただフィリピンのもう1社が
このまま何の反応も示さず模倣品の販売を続けるようであれば、法的措置を取ることも
あり得るとしている。
ベンソン・ネグレ法律事務所のアンソニー・ベンソン弁護士は昨年4月、顧客のソニー・
コンピュータエンタテインメントが開発・販売するゲーム機、プレイステーション(PS)対応の
ソフトウエアの模倣品をフィリピンで販売していた業者との訴訟で、マニラ市地方裁判所から
知的財産法違反により禁固5年、罰金15万ペソの判決を勝ち取っている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070208-00000008-nna-int