AP通信によると、米映画会社による映画タイトルのダウンロード販売や米ユーチューブ
などのインターネット動画投稿サイトがブームとなり、大容量のデータを高速で送受信
する機器に対する需要が急増しているのに伴い、通信ネットワーク機器最大手シスコ
システムズなどのネットワーク関連機器メーカーの業績が拡大している。
シスコシステムズの最終利益は、昨年8-10月期決算で、前年同期比で28%増となり、株価も、
過去1年間で約50%も上昇している。
米IT調査会社デルオログループは、2006年の世界のルーター市場は、前年比で26%成長し、
約55億ドル(約6600億円)規模に達したとし、今後数年間も2ケタ成長を続けると
予測しているほどだ。
また、米国では、数百万世帯がVoIP(インターネットなどを使用し音声データを送受信する
技術)を利用したIP電話を使っているが、今後は、IPTV(インターネットを使用し、テレビ
番組などを受信する技術)が普及するといわれている。
従来のデータ通信に加え、電話の音声やテレビの番組を1つの回線でまとめて提供する、
いわゆる、「トリプルプレー」が実現すれば、シスコシステムズなどのネットワーク
関連機器の需要は、さらに高まると見られる。
ただ、ユーチューブなどの動画投稿サイトは、利益を上げるための確かなビジネスモデルが
見つかっていない上に、著作権侵害などの問題がひん発する恐れもある。
そうした理由で、今後、動画投稿サイトの人気が低迷すれば、ネットワーク機器の売り上げ
にも影響が及ぶ可能性がある。
また、米投資銀行パイパー・ジャフレイのトロイ・ジェンセン氏は、動画投稿サイトの人気
上昇で、ネットワーク関連機器の需要が高まったことについて、「現在の設備投資の期間が
過ぎれば、また、厳しい状況になる」と釘をさす。
ニュースソース
http://news.livedoor.com/article/detail/2980603/