個人向け投資スクール事業を運営するベンチャーのフェアトレード(東京都港区、西村剛社長)
は、個人投資家を対象としたインターネット上の会員制コミュニティーである「SNS(ソーシャル・
ネットワーク・サービス)」を1月中旬に本格オープンする。メールアドレスを登録すれば、
入会金や年会費は無料。会員は、投資に関する情報を交換したり、他の会員の投資日記を閲覧し
コメントを書き込んだりできる。
サイト名は「fue-lu(ふえーる)」で、すでに試験的に開設している。同社では「自分で学べる
無料投資スクール」と位置づけ、1年間で会員数1万人を目指している。
西村社長は、元国際投信投資顧問のファンドマネージャ。リクルートとヤフーが出資する
オールアバウトが運営しているアドバイスサイトで、株式投資の指南を務めている。株式投資に
関するSNSはすでに複数あるが、投資家として専門知識を持つ人が運営するSNSは初めてという。
会員登録すると「信用評価損率」や「騰落レシオ」「外資系動向」などの投資に役立つ指標のほか、
企業のアナリスト説明会に出席した同社のアナリストによるリポートなどが閲覧できる。
メールアドレスの登録だけで会員になれるため、会員の紹介が必要な紹介制のSNSより匿名性は
高い。公正な株式投資を阻害したり、意図的な投資をあおるような書き込みを厳しく監視する
ことで、健全なサイトに育成していくという。
収益は、サイトへの広告掲載のほか、個人の投資動向をリポートして企業に販売することも
検討している。
西村社長が個人投資家の育成にかかわったのは、「投資は楽しいが、怖い。自己で考え、
自己
で判断する」という自己責任の基本を学んでほしいと考えたため。さらに、SNSを立ち上げる
ことで、「投資という共通の話題で、老若男女がコミュニケーションを図り、新聞や本も読む
ようになる。一種の生涯教育にもなる」と話している。
【用語解説】SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)
会員が自分の写真や情報を掲載し、他の会員とコメントをやり取りし交流できるサイト。
趣味の情報交換や同窓生が集う場などとして利用されている。入会には既存会員の紹介が
必要なケースが多く、不特定多数の人に情報を発信するブログ(日記風の簡易型ホームページ)に
比べ安心感があり、急速に普及している。日本では「ミクシィ」が代表的で、会員数は660万人に
上っている。
▽News Source FujiSankei Business i.on the Web 2006年12月30日
http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200612300015a.nwc ▽fue-lu
http://www.fue-lu.jp ▽オールアバウト 株価 [適時開示速報]
http://allabout.co.jp/ http://company.nikkei.co.jp/index.cfm?scode=2454 http://smartchart.nikkei.co.jp/smartchart.cfr?scode=2454.9