オーストラリア連邦裁判所は、著作権で保護された楽曲へリンクを提供するサイトの
法的責任を認める判断を下した。
AP通信によると、この訴訟では、違法ダウンロードが可能な楽曲へリンクを提供した
検索エンジンサイトの運用者であるステファン・クーパー氏と、同氏のサイトをホスト
するISPのコムセン(Comcen)が、オーストラリアの著作権法に違反し、サイト利用者
の著作権侵害を許可した罪で訴えられていた。
クーパー氏は、問題のサイトはグーグルなど検索エンジンに類似する機能を果たしただけ
と主張していた。
これに対しブランソン判事は「オーストラリアにおけるグーグルの活動は侵害行為に当たら
ないとする、クーパー氏の前提自体が立証されていない」との見解を示した。
訴えていたのは、ワーナー・ミュージック・グループ、ユニバーサル・ミュージック・グループ
などレコード会社が共同で所有する違法コピー調査団体(MIPI)。
下級審でクーパー氏とコムセンがサイトの撤去とMIPIへの裁判費用支払いを命じられ、
クーパー氏が控訴していた。
MIPIのゼネラル・マネジャー、ハインドル氏は、判決がグーグルなど検索エンジン業界全体
に与える影響を認めた上で、クーパー氏のサイトは楽曲ファイルを標的にしており、グーグル
など一般の検索エンジンとは異なるとの考えを示した。
また、判決でIPSの法的責任が認められた点を特に評価した。
米国では一般的にISPが利用者の行動の責任を問われることはない。
ニュースソース
http://www.usfl.com/Daily/News/06/12/1222_017.asp?id=51957