年の瀬が迫ってきた。年末年始のテレビ番組を美しいハイビジョン画質で見ようと,街の
電気店では1台十数万〜数十万円の薄型デジタルテレビを求める客で賑わっている。消費
者の関心がデジタルテレビの画質や価格に向かうなか,松下電器産業やソニーなど,名だ
たる大手家電メーカーがある構想を着々と実行に移している。日本に出回っているほとん
どのテレビ受像機をネットに対応させて,インターネットの入り口に変えてしまおうと
いう壮大な計画だ。
テレビ受像機とはテレビ番組を映し出すための装置−−。誰も疑ったことがないテレビの
常識を覆すような動きが,テレビ業界のあちこちで見られるようになった。きっかけは,
インターネットの普及。テレビ各局が半世紀にわたって築き上げた金儲けの仕組みが,
インターネットによって脅かされようとしている。詳しくは単行本『テレビはインター
ネットがなぜ嫌いなのか』をご覧になっていただければと思うが,ここでは家電メーカー
とテレビ局の関係の変化を紹介したい。
そんな家電業界の動きを警戒する人たちがいる。テレビ局関係者だ。テレビ業界にとって,
テレビ画面は商売の最前線である。テレビ画面にCMを映し出すことで,スポンサーから
広告料をもらっている。そのためテレビ局には,「テレビ画面はオレたちの縄張りだ」と
いう強い意識がある。
複数のテレビ番組を画面映し出すだけの機能にも敏感に反応するテレビ局関係者が,イン
ターネットなどという“よそ者”のコンテンツまで映し出す機能など,容認できるはずもない。
(一部抜粋)
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/OPINION/20061201/255550/ ※前:
http://news18.2ch.net/test/read.cgi/bizplus/1165239417/