【鉄道】「電車修理代を稼がなくちゃ、いけないんです。」銚子電鉄、HP上で異例のお願い★12 [06/12/01]

このエントリーをはてなブックマークに追加
476名刺は切らしておりまして
本文が長いので3回に分けます。お許しを:

[現場発] ぬれ煎売れても暗夜行路〜銚子電鉄 補修経費 めど立たず
(2006年12月2日 土曜日 朝日新聞朝刊 第二社会面) <その1/3>

 単線を走る1両だけの電車が、小舟のように揺れた。千葉県銚子市の銚子駅から約15分。
左の車窓に、関東の東端・犬吠埼灯台が見えてきた。
 「子守電車」。銚子−外川間の6.4`を結ぶ銚子電鉄の異名だ。「揺れで子どもが眠ってし
まうから」と、乗客の女性は言った。
 この鉄道が、がけっぷちだ。車両の検査費が足りず、11月16日にホームページで、副業
のぬれ煎餅を「買って!」と呼びかけた。そこに運輸局から改善命令を受け、見込みで約3
千万円の経費が新たに必要となった。
 指摘は「通過中に遮断機が上がる」「踏切の赤色灯が脱落」など。大きな揺れも「枕木の腐蝕
が一因かもしれない」と運輸局はいう。補修の状況次第では、運行停止の可能性も出てきた。
477名刺は切らしておりまして:2006/12/03(日) 14:01:53 ID:+R1WD/Sq
[現場発] ぬれ煎売れても暗夜行路〜銚子電鉄 補修経費 めど立たず
(2006年12月2日 土曜日 朝日新聞朝刊 第二社会面) <その2/3>

 銚電は大正時代の1923年、魚や観光客を運ぶために開業した。1日平均の乗客は、44年
度の約6575人が最多で、05年度は1792人。慢性的な赤字で、負債総額は約3億円に上る。
75年以降、国や県、市が補助してきたが、その「輸血」も03年度の1112万円を最後に途絶
えた。
 原因は前社長の不祥事だ。会社名義で借り入れを重ね、個人債務の返済に充てていた。
前社長は今年8月、県警に逮捕された。借金は1億円以上で、借入先はヤミ金まで及ぶと
されている。
 24人いる社員からは、「補修ができなくなった。悔しい」と嘆く声が聞かれた。それでも、
勤続24年の向後功作・鉄道部次長(43)は「交通弱者から移動の手段を取り上げるのは情けな
い」と鉄道マンの心意気を示している。
478名刺は切らしておりまして:2006/12/03(日) 14:05:25 ID:+R1WD/Sq
[現場発] ぬれ煎売れても暗夜行路〜銚子電鉄 補修経費 めど立たず
(2006年12月2日 土曜日 朝日新聞朝刊 第二社会面) <その3/3>

 本社のある仲ノ町駅。築90年以上の木造平屋の駅舎は待合室まで、煎餅の箱あうずたか
く積まれていた。HPや報道の効果は想像以上で、注文は約1万件。生産が追いつかず、11
月29日にネットの受付を中止した。年内の再開は難しいという。
 それら臨時の利益は約1千万円で、今月9日が期限の1両の検査費はめどがつきそうだ。
製造から46年。東京地下鉄・銀座線を33年間走った後、94年に購入した車両だ。
 沿線の犬吠埼は、太平洋から上る初日の出を拝める場所。運輸局指摘の補修費の見通し
は立たないまま、銚電は師走を迎えた。(長富由希子) [了]