札幌市厚別区の二つのタクシー会社、札幌交通と共同交通は十一月一日から、
札幌地区で運行する計六百六十八台に乗務する運転手千七百五十人に対し、
車内での禁煙を義務付ける。
札幌ハイヤー協会によると、東京や九州の一部などですでに同様の取り組みをしている
会社はあるが、道内では少ないという。
札幌地区(札幌、江別、北広島、石狩の各市)の全タクシー台数は六千五百四台。
このうちの約一割が今回の対象になる。ただ、乗客の喫煙は従来通り認めるため、
車内が完全に無煙化される禁煙タクシーとは異なる。
両社の運転手を合わせた喫煙率は六割強だが、年々「車内がたばこ臭い」との苦情が
増えている上、受動喫煙防止の努力義務を定めた健康増進法も踏まえ、
一年前に導入した東京のグループ会社の事例を参考に検討、実施に踏み切った。
両社によると、「喫煙する運転手が一日乗ると、前席の灰皿は吸い殻でびっしりになるのに
比べ、乗客が乗る後部座席の吸い殻は数本程度」と言い、「将来は完全禁煙を目指さなけ
ればならないが、今回は喫煙客にも配慮しつつ、たばこ臭を減らす措置にした」と説明する。
後部ドアの外側と車内の計二カ所に「乗務員は車内ではタバコを吸いません」と書いた
ステッカーを張り、乗客に周知する。
両社は、喫煙する運転手には外で吸うための携帯灰皿を渡す。運転手が車内で喫煙した
場合、「処分はせず、趣旨に納得してもらいながら徹底を図る」と話している。
ソース
http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20061030&j=0045&k=200610302508