日本経済新聞社が実施した「地域経済500調査」で、近畿では主要企業の76%が
景気の現状について「良くなった」「改善の兆しが見える」と回答し、全国平均の
61%を上回った。地域別でも中国地方と並び最高水準。2月に実施した前回調査の
88%から後退したものの、依然として景気の拡大を感じている企業が多い。
調査は7―8月にかけて近畿に本社・本店を置く企業や金融機関、協同組合組織など
70社・団体を対象に実施し58社・団体から回答を得た。
個人消費が「活発になった」「活発になりつつある」との回答が67%(全国平均は49%)、
設備投資が「旺盛になった」「旺盛になりつつある」は75%(同62%)で、いずれも
全国平均を大きく上回り、消費・投資の両輪が近畿の景気を力強くけん引している。
「景気の現状は外需と内需、企業部門と家計部門それぞれでバランスを保ち、
ほどよい居心地の状態にある」(京都銀行)
半年先の景気見通しについても「良くなっている」「改善の兆しが出てくる」が
71%(同57%)と高い水準。今後の景気に好影響を与えそうな要因として
「個人消費」を挙げている企業が74%、「設備投資」は70%。近畿と経済的な
結びつきの強い「中国景気」を要因として挙げる企業が24%と全国平均の
12%を大きく上回っている点も特徴だ。
一方、景気に悪影響を及ぼしそうな要因としては「原油・原材料価格」が86%に達し、
ほとんどの企業が懸念を示す格好となった。「米国景気」は53%、「金利動向」は
43%となっている。
今後の景気の見通しについて「年内は大きく変わらないが、原材料価格のさらなる
高騰や株式相場の動向により、年明け以降はやや不安を感じる」(組み立てパイプ
製造販売のスペーシア=滋賀県湖南市)といった意見が出ており、「今回の景気回復は
良い業種と悪い業種、良い企業と悪い企業に分かれており、今後淘汰が
進む」(ノーリツ)という指摘もあった。
日本経済新聞
http://www.nikkei.co.jp/kansai/news/35012.html