三菱ふそうトラック・バスが相次ぐリコール隠しで、厳しい世論の指弾を
受けたことは記憶に新しいだけに、「トヨタよ お前もか」といった感じだ。
直接のきっかけはRV車の欠陥をおよそ8年間放置したとされる業務上
過失傷害事件。トヨタの部長ら3人が書類送検された。トヨタ側は「リコール
を見送った当時の判断は間違っていない」との立場で法的には意図的に
リコールを避けたかどうかがポイントとなる。
三菱ふそうの問題をきっかけに、自動車各社がこまめにリコールを
届け出る傾向が強まっているとはいえ、トヨタの増加ぶりは目立つ。
台数で2005年までに2年連続で180万台を突破。今年も既に100万台を
超えた。海外では米国でハイブリッド車「プリウス」など4車種で合計
40万台を届け出ている。生産コストを下げるために部品を共通化した
ことで、リコールやリコールに準ずる無料修理が増える傾向にある。
渡辺社長は先日の記者会見で「規模の拡大で品質が少しおろそかに
なっている可能性はある」と認め、保証・管理体制の見直しを表明した。
トヨタは今年6月に品質保証を担当する副社長を2人に増員したばかり。
安全性に問題がなければ同じ部材を使い続けコストを削減するのは
トヨタだけではない。問題は安全かどうかの見極めだ。消費者の安全を
最優先で設計、製造に当たっていたのかどうか。トヨタは改めて自らを
問い直すことが迫られている。「品質神話」「安全神話」が揺らいだまま
ではトヨタといえども、いずれ成長路線の修正を余儀なくされることになる。
ソース(日経ブロードバンドニュース・ニュース解説)
http://nikkeibb.jp/bbnews/kaisetsu/20060721?rss