■資材購入条件に融資 士幌町農協に警告へ 公取委、不公正取引と判断
公正取引委員会は、十勝管内士幌町の士幌町農協(森本勝組合長)が、組合員農家に
融資する際、農協からの農業資材購入を条件にしたとして、独占禁止法違反(不公正な
取引方法)で、近く同農協に改善を求める警告を行う。複数の関係者が七日、明らかにした。
政府が農業分野の規制緩和を積極的に進めようとする中、農協の経済活動にも独占禁止法
の網がかぶせられることになり、全道の農協に波紋を広げそうだ。
公取委は昨年十月二十五日、同農協の事務所など数カ所を立ち入り検査した。関係者に
よると、組合員である畜産・酪農農家などが融資制度を利用する見返りに、同農協から飼料
や肥料など農業資材を購入することや、生産物を農協経由で販売することを条件とした疑い
があったためという。
独占禁止法は、農協を適用除外としているが、「不公正な取引」が行われた場合は適用対象
とすると定めている。公取委は、今回問題になっている農業資材購入の義務付けが、農協以外
の業者の参入機会を減らす不公正な取引に当たるとみて、同法を適用し警告する方針を固めた
とみられる。
警告は排除命令と異なり強制力はないものの、農協は「不公正な取引」の改善を求められる
ことになる。
道内には、融資条件として同様に資材購入を義務付けている農協が複数あるとされ、今後
何らかの改善策を迫られるなど、影響が広がる可能性がある。
農協の不公正な取引をめぐっては昨年三月、熊本県八代市の八代地域農協が、農協経由の
農産物出荷などを義務づけたとして、警告を受けたほか、京都府亀岡市のJA京都が昨年十一月、
組合員農家にJAを通した肥料や飼料の購入を強制した疑いがあるとして、立ち入り検査を受けた。
ソース:北海道新聞 2006/07/08 06:51
http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20060708&j=0022&k=200607083595