「第二新卒」と呼ばれる、社会経験3年未満の若手社員の採用に熱心な企業が増えてきた。
景気回復で十分な新卒社員を確保できない企業が珍しくないためだ。第二新卒の採用は新しい
転職の形として定着する可能性もある。(小城敬三)
≪3割離職≫
「メガバンクの動きが激しい」
今年春、企業の採用担当者は大手銀行の動きに浮足立った。公的資金の返済にめどをつけた
大手銀行は、ここ数年の採用不足を埋める意味もあって、大量採用に踏み切っているからだ。
十分な新卒採用が厳しくなる中、クローズアップされた就職用語が「第二新卒」。22歳で入社
する新卒組に対し、入社3年未満の25歳ぐらいまでに転職する層をさす。厚生労働省によると
平成7年から14年では入社3年目までに会社をやめる比率は大卒で3割超。技量を身につけた30歳前
の世代がキャリアアップを狙うケースが多かった転職と異なるわけだ。
≪若手引き抜き≫
リクルートワークス研究所の調査によると、平成19年春の民間企業の大卒求人数は82万5000人
で、就職希望者43万7000人の1・89倍。前年の1・6倍を上回り、求人数はバブル期のピークに迫る。
このため、就職情報大手、クイックの和納勉社長は「必要な新卒の人数を採用できない企業が
増加している」と指摘。第二新卒の転職が増える背景について「企業が無理をして大量採用した
人材には入社後、『合わない』と気づいてやめる層もいる」と分析する。
第二新卒は採用時期を決めない通年採用が多く、他社の入社1年生を引き抜く動きもあるという。
引き抜かれた企業は穴埋めのため同様に引き抜きに動き、「トコロテン式」に転職市場が膨らむ
構図を生んでいる。
>>2に続く
▽News Source Sankei Web(産経新聞【2006/06/28 朝刊から】)
http://www.sankei.co.jp/news/morning/28kei002.htm ▽関連
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