政府・与党は26日、財政再建目標の達成に向けた2011年度の歳出削減額を11・4兆〜14・3兆円
とすることを決めた。
25日の事前協議では与党が11・5兆〜14・5兆円で大筋合意していたが、来夏に参院選を控えて
大幅削減に抵抗した参院の自民、公明党に配慮し、削減額を圧縮した。
11年度に予想される財源不足額16・5兆円のうち、歳出削減だけでは賄い切れない2・2兆〜
5・1兆円は、増税を含む増収策で対応する。
ただ、増収策については「特定の税の税率引き上げに直結するものではなく、今後の経済・
税収動向などを慎重に見極める必要がある」とし、消費税率の引き上げ幅や時期は明示しなかった。
政府・与党は、増収策などの協議をさらに進め、7月上旬に閣議決定する「経済財政運営と
構造改革に関する基本方針(骨太の方針)」に盛り込む。
歳出削減額の圧縮に伴い、政府・与党の最終合意文書では、国から地方へ配分する地方交付税
について、事前協議で合意された「現行総額を維持する」という表現が削られた。参院自民などが、
経済成長を勘案すれば、実質的な削減になると反発したためだ。
地方公務員人件費についても「5年間で6・2%程度の定員純減を目指す」との表現が「国家公務員
の定員純減(5・7%減)と同程度の定員純減を行う」に後退した。地方単独事業は「3兆円程度削減
する」との記述が削除され、「現在の水準以下に抑制」という表現にとどめられた。
一方、経済財政諮問会議(議長・小泉首相)が同日開かれ、中長期的な経済活性化策を示す
「経済成長戦略大綱」をまとめた。今後10年間(2006〜15年度)の実質経済成長率の目標を
年平均「2・2%以上」と掲げた。「06年度」「08年度」「15年度」の3段階に分けて具体策や数値目標を
記した「工程表」を示した。
>>2に続く
▽News Source YOMIURI ONLINE(2006年6月26日21時58分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20060626it17.htm