お札をデジタルカメラで撮影し、その画像をもとに札の真偽を判別するソフトウエアを、
神戸市の写真製版会社の社長が開発した。
見た目にはなかなかわからない本物と偽物とのわずかな色の違いを、
コンピューターの目で見分ける仕組み。
現在、警察が押収する偽札の大半はスキャナーやプリンターなどを使って印刷されたもので、
このソフトを使えば、これらの偽札は「ほぼ判別可能」(開発者)という。
開発したのは、写真製版会社「サンメディア」(同市兵庫区)社長の横山稔さん(65)。
ソフトにあらかじめ真札の画像データが記憶されており、判別しようとする札の
画像データと比較して、真偽を判別する方式だ。
パソコン上でソフトを動かし、デジカメの画像を取り込むと、
例えば肖像画の部分が本物なら赤、偽物なら青というように画面上で変化し、
ひと目で判別できる。
300万〜500万画素程度のデジカメを使えば判別可能で、日本円と米ドル札に対応する。
現在、特許申請中で、2万円程度で市販する方向で検討中だ。
カメラ付き携帯電話で撮影した画像も機種によっては利用可能で、
今後、ソフトを携帯電話に内蔵できるようにすることも考えている。
横山さんは、お札の肖像画部分などにかざすと、
本物ならしま模様が見える偽札判別フィルム「マジックシート」も開発している。
「フィルムの発売後、問い合わせが多く、偽札被害の深刻さを知った。
高性能のプリンターによる偽造に対応できるよう、判別の精度を高めていきたい」と話している。
■ソース
asahi.com[2006年06月15日15時55分]
http://www.asahi.com/national/update/0615/OSK200606150039.html