オンラインストア大手のアマゾンジャパンは12日、書籍やCDの発行元から問屋を
通さずに直接商品を預かり、ユーザー向けに販売する「アマゾンe託販売サービス」を
開始すると発表した。
問屋や卸事業者が取り扱わないインディーズ(独立系)と呼ばれる音楽CDや中小
出版社の書籍でも、アマゾンのサイトから購入できるようになる。
独立系の音楽会社や中小出版社、ゲームソフト会社は大手流通を通さず、アマゾン
の決済や配送サービスを利用して、ユーザーの商品を提供できるようになり、ビジネス
の幅を広げられる。
e託販売サービスの対象となるのは、書籍や音楽DC、DVD、ゲームなどが中心とな
る。
当面は出版物に付けられるISBNコードや消費財向けのJANコードを持った商品が
対象。
法人所在地と銀行口座が日本国内にある事業者で、登録する商品の販売権を持っ
ており、ウェブサイトにアクセスできれば、年会費9000円で参加できる。
8月31日までは無料。
e託販売を希望する事業者がアマゾンに登録すると、アマゾン側で過去の傾向から
当該商品の需要を予測した上で、受託可能な商品点数を事業者側に連絡。
事業者側では宅配便などで商品をアマゾンに納入する。
売れれば、アマゾンから追加発注される。
中小事業者が小ロットの商品を頻繁にアマゾンの倉庫へと納入できるよう、30の小
口分で1万500円の定額制集荷サービスも実施する。
アマゾンでは、ソニー・ミュージックエンタテインメントで日本のポップミュージックを育
成した丸山茂雄氏が、独立後に設立したレコード会社、247ミュージックとも連携する。
12日に東京都渋谷区のカフェで行われた会見で、丸山氏は「クリエーターが望むショー
ビジネスのスキーム開発が重要となっている。ネットなのでメジャーのアーティストと比
べても平等に取り扱ってもらえる」と利点を指摘。
音楽や出版といった創作活動を伴うビジネスに新風を巻き起こすと期待する。
▼FujiSankei Business i.
http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200606130023a.nwc