国立情報学研究所(NII)は2日、国立大学図書館協会と公私立大学図書館コンソーシアムと
共同で、世界の主要な学術雑誌約1000誌を創刊号にさかのぼって電子化した280万件の論文を
一覧できる電子アーカイブを新たに導入し、大学の研究者や学生への公開を始めた。
NIIが、これまで構築を進めてきた国内の電子論文と合わせると、約610万件の論文を集める
ことになり、世界でも最大級の学術論文数を実現した。
電子アーカイブは、学術雑誌に掲載された論文全体を電子化し、恒久的な保存と利用を可能
とするもの。今回新たに導入したのは、世界有数の学術出版社シュプリンガー(ドイツ)と
オックスフォード大学出版局(英国)の2社が刊行する学術雑誌で、創刊号から全巻1900万ページ
分を電子化した。
論文のタイトルや抄録はだれでもインターネットで検索することができる。図書館コンソーシ
アムに加入している大学からは、研究者や学生だけでなく、大学図書館の一般利用者も、論文の
本文すべてを見ることが可能だ。
1847年に創刊されたものもあり、人文・社会科学から理工学や生命科学にわたる幅広い分野の
学術論文が利用できる。
収録された論文には、学術的価値の高いものや歴史的に重要なものも多く含まれている。
国立大学図書館協会の西郷和彦会長は「大学図書館は学術雑誌でいっぱいで、学生が座る場所
の確保も難しい。電子化でスペースに余裕ができ、学習環境も良くなるだろう」と話している。
▽News Source FujiSankei Business i.on the Web 2006年06月03日
http://www.business-i.jp/news/ind-page/news/200606030016a.nwc ▽国立情報学研究所(NII)
http://www.nii.ac.jp/ ▽Press Release
http://www.nii.ac.jp/news_jp/2006/06/610.shtml ▽関連
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http://news18.2ch.net/test/read.cgi/bizplus/1149001177/