【北京=宮沢徹】中国政府は26日、ガソリンなど燃料油の製油所出荷価格を引き上げた。
これを受けて中国石油化工(シノペック)など石油大手は即日、燃料油を3―10%値上げした。
低く統制してきた価格を国際水準へ近づけて石油会社に利益を確保させる一方、輸入依存が
高まっている燃料油の浪費を食い止める狙いがある。今後も値上げされる可能性が高く、
中国に進出した外資製造業のコストにも影響を及ぼす見通しだ。
値上げ幅は地域によって差があり、一般的な「93号ガソリン」は北京で1リットル当たり
9%高い4.65元(約67円)、重慶で5%高い4.59元。「0号軽油」は北京で8%高い4.36元、
重慶で3%高い4.28元。重慶の93号ガソリンは2年間で4割値上がりした。
政府はインフレ抑制のため燃料油の出荷価格を低く統制してきた。新華社によると、
25日までの中国の燃料油価格は国際相場より3割前後安い。高い原油から安い燃料油を生産
する製油事業が大幅な赤字となっている石油各社が高値で売れる輸出を優先したため、
昨年は国内で燃料油が一時的に不足した。
▽News Source NIKKEI NET 2006年3月26日23時11分
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20060326AT2M2600526032006.html