【IT】“インフラただ乗り論” P2P、GyaO、Skype等で増加するインフラコストをどこで回収するか IIJ[03/23]

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2サルモφ ★
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P2Pトラフィックが全体の62%を占める

 IIJ技術研究所の長健二朗氏は、トラフィックの動向についてより詳細な分析結果を
解説した。主要IXにおけるトラフィックの分析では、2003年までは1年に2倍のペースで
増加してきたが、2003年以降はこのペースが変化し、2005年は1年間で約1.5倍の増加と
なった。また、IIJも参加したISP7社によるトラフィック量の分析でも、2005年のブロード
バンドユーザーのトラフィック増加率は上り側が26%、下り側が46%にとどまった。また、
こうした傾向は香港や米国の同様の調査にも見られるという。

 2005年11月時点で、ブロードバンドユーザーのトラフィック量の平均は下り側で
約200Gbpsに達し、最低でも150Gbps程度が常に流れ続けているという。1日のピークは
21時から23時頃で、この時間帯の増加は帰宅した人が利用しているということで説明が
つくが、その他の時間帯でも常に一定のトラフィックが流れており、この部分がP2Pファイル
交換ソフトなどで自動的に生成されるトラフィックではないかと分析した。

 さらに、自社のブロードバンドユーザーを対象にして詳細な分析を実施したところ、
一部のヘビーユーザーによるトラフィックが多数を占めているものの、ヘビーユーザーと
一般ユーザーの間には明確な境界はなく、ユーザーのトラフィック使用量は統計的に
幅広く分布しているという。

 ヘビーユーザーの定義を、1日に2.5GBのトラフィックを発生しているユーザー(平均230kbps)
とすると、ヘビーユーザーの割合は全体の4%で、ADSLユーザーの2%、FTTHユーザーの
10%に相当する。この4%のヘビーユーザーが使用するトラフィックが全体の約75%(上り側)を
占めるという。ただし、ヘビーユーザーと一般ユーザーの境界はあいまいで、ほとんどトラフィックを
使用しないユーザーから大量に使用するユーザーまで、まんべんなく存在するというのが実態だ
としている。