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クレジット契約:年金月収8万円→返済10万円 宮城の障害者男性、破産前に死亡
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20060403dde041040028000c.html ◇障害年金月収8万円、返済10万円−−契約次々31件、宮城の53歳
障害年金などで月収が約8万円しかなかった宮城県大崎市(旧古川市)の
身体障害者の男性(04年に53歳で死亡)が、生前に住宅リフォーム工事などに伴い、
信販会社と少なくとも31件のクレジット契約を交わし月額10万円を超える返済を続けていた。
男性は所有していた不動産を処分するなどして返済に充てていたという。
代理人の弁護士は「明らかに支払い能力を超えた契約だ」と信販会社の姿勢を批判している。
男性は20代後半に脳卒中になった。左半身がまひする障害があり、障害者2級の手帳を持っていた。
相手がゆっくり話せば理解できる状態で、同居していた70代の母親は認知症なうえに寝たきりだったという。
収入は、月額に換算すると、障害年金が6万5000円、農業者年金が1万8416円だった。
03年春ごろ、自宅を訪ねた親族が異変に気づき、市や市民団体に相談するなどして
残っていた契約書類や銀行口座の記録などを調べたところ、
91年以降少なくとも計18業者と床下工事など計39件、
約1200万円分の契約を交わしていたことが判明。
うち、クレジット契約は信販会社5社との間に31件計約1000万円分あった。
男性は金融機関から借金をしたり、所有する田畑を売るなどして返済に充てていたが、
破産の準備に入った04年3月に病死した。男性には約400万円分の負債が残っていたが、
信販各社と残額の一部を支払うことで和解したという。
被害実態を調べた市民団体関係者は「男性は、頼まれれば黙って判を押すような人だった。
ほとんど外出できない寂しさから業者の訪問を受け入れていたようだ」と話す。
男性の代理人の荒中(あらただし)弁護士は「男性には判断能力の点でも問題があった。
支払い能力を超えた契約」と信販会社の姿勢を批判した。
契約した信販会社の一つは「契約を結ぶ際は、支払い能力など総合的に検討し判断している。
個別の審査内容については答えられない」としている。