【宇宙開発】「H2A」打ち上げ 1カ月内連続成功 欧米追撃へ年8基 [06/02/19]

このエントリーをはてなブックマークに追加
1明鏡止水φ ★
 世界二位の経済大国でありながら、この十年、わが国のロケット開発は停滞し、中国にも技術の
難易度はともかく実績で追い抜かれた。

 純国産ロケットH2が1998年から99年にかけ連続して打ち上げに失敗し、03年の情報収集
衛星を載せたH2A6号機の失敗で関係者は萎縮(いしゆく)し、予算も年々削られていった。
自国の放送衛星(BS)や通信衛星(CS)でさえ、91年以降、打ち上げを米国や欧州に頼らざる
を得なくなった。

 昨年、政府はロケットを国家の重要な技術と改めて位置付けた。その背景が打ち上げビジネスの
立ち上げより安全保障のためだったのは間違いない。

 ただ、内外から軍事予算とみなされないためにも産業に大いに利用し、国費による投資コストの
回収を求めた。このため、旧科学技術庁出身者で占めてきたJAXAの初代理事長に鉄道会社出身者
を、二代目に衛星利用会社(NTTドコモ)出身者を起用したことが、まさしく政府の狙いを示唆
している。

 今回、二基並行作業での一カ月以内での連続打ち上げが初めて実証されたことで「理論上、
種子島の二つの射場をフル活用して年間八基の打ち上げが可能」(JAXA)となり、試験運行から
“定期運行”に切り替わった。

 今後、順調に実績を積み上げ、この半分の四基程度は商業衛星を載せ、まずは、欧米に流れている
年間数百億円の打ち上げビジネスを取り返すことが求められる。(原田成樹)
2明鏡止水φ ★:2006/02/19(日) 07:55:06 ID:???
【用語解説】H2A

 宇宙航空研究開発機構(旧宇宙開発事業団)の5代目主力ロケット。
商業衛星打ち上げ市場への参入を目指し、H2のコストを半減し信頼性も向上させた。
スペースシャトルと同じ液体水素・酸素が燃料のエンジンを搭載する第1・2段、
固体燃料の補助ロケットで構成。9号機は全長53メートル、重さ351トン。


【用語解説】運輸多目的衛星(MTSAT)

 地球の自転と同じ速さで回るため、地上から止まっているように見えることから名付けられた
静止衛星の一種。気象庁の気象観測機能が5年、国土交通省の航空管制機能が10年の設計段階
での寿命となっている。三菱電機製で、約4・5トンと国内衛星のうち最も重い。