日本経団連は27日、映画やテレビ番組、音楽、写真といったコンテンツ(情報内容)の著
作権などの権利関係者をインターネットで検索できる「コンテンツ・ポータル(玄関)サイト」を
開設する方針を明らかにした。
テレビ番組のネットでの2次利用などが進まない背景には、原作者や脚本家、出演者、音
楽などの権利関係者が分かりにくく、許諾交渉すら行えない現状があるため、情報を集約し
て、提供することにした。
経団連主導で関係企業、団体などに協力を求め、2006年度中の稼働を目指す。稼働時
には少なくとも100万件の情報が登録されると期待している。著作権の検索サイトでは世界
最大規模になるという。
検索サイトは、映画やテレビ番組、アニメ、ゲームなどの「映像」、「音楽」、写真やコンピュ
ーターグラフィックスなどの「イメージ」、出版や脚本、原作などの「テキスト」と、幅広いコン
テンツを扱う。
それぞれのコンテンツについて、著作権などを持つテレビ局や映画会社、レコード会社、
権利者団体などが、原作者や脚本家、俳優やアーティスト、作詞・作曲家をはじめとした権
利者の基本情報や、2次利用などの申込先をサイトに登録し、利用者がキーワードを入力
すればネットで検索できるようにする。
その際は、ネット配信やダウンロード、ビデオ化、DVD(デジタル多用途ディスク)化が可
能かどうかといった、2次利用の可否の基本方針についても掲載する。
「放送と通信の融合」を進めるうえで、著作権などの権利処理は大きな障害になっている。
コンテンツ産業の振興策を検討してきた経団連は、検索サイトが稼働して2次利用しやすく
なれば、「融合」が一歩前進し、コンテンツ市場の拡大にもつながるとみている。
経済産業省、総務省、文化庁などにも支援を求める。
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20060127it08.htm