【株式】東証、システム処理能力を超え、株式、転換社債の売買を全面停止 [06/01/18]

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309名刺は切らしておりまして
>>263
Unixのシステム開発プロジェクトが進んでいるが、あれは情報系。
取引システムは注文、約定、決済などのサブシステムで組まれておりこのシステムに関してはCPUの増設で対応可能。
今回の問題はシステムの処理上限の見積もりを誤ったことが原因で増設するCPUに余裕を持たせれば解決する。

また構築し直すといっても処理系の裏にはIMS/DB互換のデータベースが動いており、メインフレームの
トランザクション管理機能を備えたデータベース対応のシステムをOpenシステムに移行することは不可能。
1から作り直すしかない。このシステムを再構築したらおそらくサブシステムごとに2000人月くらいの工数がかかる。

そもそも取引系のシステムは5年前に即日決済に移行しようとする計画が持ち上がった際に東証コンピューターで
開発することになった後でいろいろあってプライムシステムが東証コンピューターを買収してプロジェクトをスタートさせた。
ところがその後になってから証券会社が即日決算のシステムに移行するには証券会社側のシステムも構築しなおさなければ
ならないのでそんなめんどうなことはできない。今のままでも十分に動いているものを今更作りかえることが必要なのか
という大議論が起こって結果的にプライムシステムが40億円くらいの損失を蒙ってプロジェクトが破綻したという経緯がある。

取引所システムの再構築といっても証券会社とのインターフェースがメインフレーム系のプロトコルで作られているから
それをUnixで作りかえたりすると下手をすると証券会社のシステムも全部作りかなければならなくなる。基本的に証券
会社はぎりぎりで経営しているところが多く、またかなり保守的。そうしたシステムの改変はすっごい嫌がる。
310名刺は切らしておりまして:2006/01/19(木) 19:45:49 ID:CAnD8RkD
さらに詳しく解説すると即日決済でシステムを再構築しようとしたとき、東証は株式会社への組織変更を考えていた。株式会社に組織
変更して株式を上場しようとしていたため、システム開発に投資を行うとバランスシートが悪化して上場のスケジュールが先延ばし
になってしまうと考えた。そこに証券系システム開発への参入を考えていたプライムシステムが現れたために簡単に東証コンピューター
をうっぱらってシステム開発をプライムシステムに任せるようなことをした。

今では株式会社となった以上、東証は経営上無駄なシステム投資を行うことは出来難い構造になっている。引け後のバッチ処理
用のCPUリソースをぎりぎりに見積もっていたのもそのため。無駄に追加すると使わないCPU資源ができてしまって電力代や
場所代や購入費用やメインテナンス代とか非常にコストがかかってしまうということ。

東証の株主は野村とかの証券会社で占められているが、こうした証券会社も取引所システムは公共財と考えていて、公共財は
税金で作れと考えている。一方、大蔵省は解体されて昔のように強力な影響力や予算を取引所に投資することもできないし、株式
会社である以上、自助努力でやれという。そんなわけでもう今の東証はにっちもさっちもいかない状況で、いろんな名目で必死になっ
て金を集めようとしてるとこ。ゼンゼン集まってないけどさ。