企業合併の国内シェア基準緩和、経産省が公取に要請へ
経済産業省は15日、独占禁止法の観点から企業合併の可否を審査
している公正取引委員会に対し、合併を認める基準を緩和するよう要請
する方針を固めた。
合併後の国内シェア(占有率)が「原則35%以下であること」との現行
基準を、「50%以下」であれば認めるようにすることなどが柱だ。企業の
合併・買収(M&A)の足かせとなっている規制を減らすことで業界再編を
加速し、国際競争力を高める狙いがある。
経産省ではこのほか、化学製品など国内外で品質に差がない分野など
では「世界シェア」を採用するよう公取委に求める。合併により国内市場の
シェアが高まっても、世界市場全体で見ると小規模のままというケースも
あるためだ。
企業合併の承認手続きでは、合併しようという企業から報告を受けた公取
委が合併後のシェアを基準に事前審査し、独占禁止法に照らして、独占、
寡占にあたると判断すれば認めない。2002年度から3年間に公取委が
行った審査96件(公表分)のうち、5件が独禁法上の問題を指摘され、合併
を断念している。
経産省では、合併の可否を判断する目安となっている運用指針の改定を
促し、日本企業の競争力強化策「新成長戦略」の柱に据える。ただ、公取委
からは「厳格な運用を抑えるわけにいかない」との声も出ている。
(2006年1月16日3時9分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20060116i301.htm?from=main3