消費者物価指数(CPI)が上昇すれば、元本や利息が増える「物価連動国債」専用の
投資信託が人気を集めている。
日銀が量的金融緩和政策の解除に自信を深める中、デフレ脱却への期待が高まり、
中高年層を中心に将来の物価上昇に備えたいと考える人が増加。
個人マネーの流入で運用額は半年で一・五倍に拡大し、一層の伸びが見込まれている。
物価上昇は預貯金などの金融資産の実質的な価値を低下させる。物価連動国債を保有
していれば資産の目減りを避けることができるが、個人は投信を通じてしか購入できない。
現在、国内で同国債に特化した投信は、みずほグループ傘下の第一勧業アセットマネジメントが
運用する二商品だけ。
日銀が、年内にもCPIが前年比プラスに転じるとの見通しを出すなど、物価が底入れしつつあることを背景に、
二商品の合計運用額は三月末の約六十億円から九月末には約九十億円に急増した。
同国債は物価が下がれば元本割れのリスクもあるが、同社の木村淳一債券運用部副部長は
「富裕層やシニア層だけでなく、老後資金をためている若い世代にも資産防衛のニーズはある」として、
一層の規模拡大に期待している。
◇物価連動国債
消費者物価指数(生鮮食品を除く)に連動して元本や利息が増減する国債。国債の種類を多様化させるため、
2004年3月に財務省が発行を開始した。05年度中の発行予定額は2兆円、同年度末の累計発行残高は
約2兆9000億円の予定。国内機関投資家のほか、外国人投資家の保有比率が高い。
欧米諸国にも同様の国債があり、一定の市場規模に育っている。
■ソース
http://www.business-i.jp/news/kinyu-page/news/200510070019a.nwc