水産加工大手の極洋(東京都港区)は、青島市(山東省)に販売会社を設立する。
現地で加工した魚の切り身などの水産加工品を欧米向けに輸出するほか、加工食品の消費が
拡大する中国国内市場にも参入する。
同社は一九九九年、青島に駐在員事務所を設置。青島市内の協力工場で魚の切り身や
かす漬けなどの水産加工品を生産し、日本や欧米向けに輸出していた。
最近は日本から欧米向けの水産加工品輸出が好調なため、中国からの欧米向け輸出を本格化
させると同時に、所得水準が向上する中国国内販売も始める。生産は従来通り、協力工場で行う。
青島の新会社設立と同時に広州市(広東省)に支店を開設し、エビやウナギ、白身魚の加工を
協力工場を通じて行うほか、華南地区での販売網を強化する。
新会社は青島極洋貿易で、資本金は二十万ドル(二千二百万円)。極洋が全額出資した。
代表者は荒砥誠取締役海外事業部長が兼任する。来年は年間八千トンを生産し、約三十億円を
売り上げる計画だ。
極洋は、成長戦略のひとつとして需要が拡大する欧米、中国の市場開拓を目指している。
海外現地法人の設立は、極洋アメリカ(ワシントン州)などに続き四社目になる。八月に設立した
極洋アムステルダム駐在員事務所も近く、現地法人化し、中国やタイからの水産加工品を本格販売する。
日本の水産加工品輸入国では中国がトップ。日本水産が福建省アモイ市で魚介類の養殖事業を
拡大しているほか、加ト吉やニチロなどが中国で水産加工品を増産し、日本向け輸出を増やすとともに、
中国国内での販売を強化している。
■ソース
http://www.business-i.jp/news/china-page/news/200509280008a.nwc