ハムやソーセージなどが主力の食肉加工業界の顔色は冴えない。農林水産省の
発表では、平成16年度、肉類の自給率は55%(牛肉44%、豚肉51%、
鶏肉69%)。つまり、輸入に依存しているわけだが、米国のBSEやアジアの
鳥インフルエンザの発生にともなう禁輸措置が長期化、その影響で原料の
豚肉などが高騰しているからだ。
05年4―6月期、日本ハムは営業利益が前年同期比63%減。伊藤ハムは
営業赤字に転じた。主要株主に総合商社が目立つ食肉加工業界の勢力図を
見ておこう。
グループ年間売上高が9000億円台と、断然トップなのが日本ハム。生産
飼育から処理・加工・販売までをグループで一貫して手がけ、オーストラリアや
米国には生産飼育設備も所有する。平成15年に子会社化した宝幸は、
旧社名(宝幸水産)から水産加工品メーカーのイメージが強いが、業務用チーズ
市場ではトップクラス(約13%)のシェアを持つ。
同社のルーツは四国だけに百十四銀行(本店高松市)の主要株主に名前を
連ねるが、所有するプロ野球球団の移転で北海道色も強くなった。ちなみに、
プロ野球日本ハムのスポンサー野口観光は、全国の温泉地再生≠ナ名を
あげている北海道勢の1社(ほかに加森観光、カラカミ観光)。層雲峡朝陽亭は、
上川町から経営を引き継いだものだ。
グループ売上高が5000億円台と日本ハムには水をあけられているが、
2000億円台のプリマハムや丸大食品を引き離して2位の座を確保しているのが
伊藤ハム。
同社は、オーストラリアの子会社を通して、8月から中国で牛肉の販売を
開始した。中国で一般的に流通しているものに比べ3倍程度高価だが、
中国富裕層や在留邦人をターゲットとする。
以下、プロ野球楽天のスポンサーに名乗りをあげているプリマハム、それに
丸大食品や米久などが続く。上場会社ローマイヤの子会社化に動いたのは
食肉ディーラートップのスターゼン。「こてっちゃん」で知られるエスフーズは、
同業のムラチクを経営統合している。
http://www.yukan-fuji.com/archives/2005/08/post_3206.html