【iTMS】日本版iTunes Music Store、サービス開始から4日で100万曲販売 [08/08]

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364日本経済新聞 2005年8月9日 企業2面13版
音楽配信元年 アップル上陸 −上−

◆巨大市場揺り起こす  〜価格決定権巡り攻防〜

 米アップルコンピュータによる世界最大の音楽配信サービス「iチューンズ・ミュージックストア(iTMS)」が
日本で始まった。米国に比べ出遅れていた国内の音楽配信を一気に後押しし、音楽を楽しむ手段が多様
化する。レコード会社や音楽事務所、ミュージシャンなどの力関係を変え、音楽産業の構造を一変させる
威力も秘める。
 「購入に必要なのは数回のクリックのみ」。アップルのスティーブ・ジョブズ最高経営責任者(CEO)は4日、
iTMS開始の発表で最大の利点を何度も強調した。自宅のパソコンで新譜や旧譜をダウンロードし、携帯
音楽プレーヤーなどで楽しめる。

−100万曲を突破−

 4日のサービス開始からの4日間で販売曲数は百万曲を突破した。アップルの強みはプレーヤーがすで
に普及していることだ。同社の「iPod(アイポッド)」シリーズは国内の累計販売が百万台を突破している。
 iPodの持ち主はこれまで事実上、音楽配信を利用できないため、パソコン経由でCDなどから音楽を取り
込んで聴いていた。半ば死蔵されていた機器がiTMSの開始で一気に本来の機能を発揮することになった。
 一台当り百曲を購入した場合、単純計算で百五十億−二百億円の売上げになる。野村総合研究所は
2004年度に八十億円だった国内市場は05年度に2.3倍の百九十億円に伸びると予測する。「知名度の
高いアップル参入で音楽配信が特別なものではなくなる」(オリコンの小池恒社長)。既存配信会社も市場
拡大に期待する。
365名無しさん@お腹いっぱい。:2005/08/09(火) 04:57:20 ID:1TYUMskZ
>>364
 アップル効果は価格にも波及した。iTMSに楽曲を提供する東芝EMI、エイベックス・グループ・ホールディ
ングスなどは一曲当り200円以上だった価格を150円−200円に設定することで合意。他の配信サービ
ス向けの価格もiTMSと同じ価格帯に下げた。
 昨秋から各社別に具体化したアップルとレコード会社の交渉は決してスムーズに進んだわけではない。
「当初は春にiTMSサービス開始を予定していたが、価格の詰めで難航した」(大手レコード会社役員)
 音楽配信の価格はレコード会社など楽曲の権利を保有する側が決めるのが国内の慣例。従来の価格
水準に固執したと見られ、米で99セント(約100円)で配信するアップルとの主張の隔たりは大きかった。

−リスク少なく−

 最後はiTMSの「規模」が多くのレコード会社を説得した。在庫などのリスクが少ないことが音楽配信の
特徴で、減少を続けるCD販売の収益を補うにはいずれは本格的に始めざるを得ない。「iTMSのビジネス
規模を考えると価格にこだわる必要は無い」(コロムビアミュージックエンタテインメントの広瀬禎彦社長)
 とはいえ国内最大手のソニー・ミュージックエンタテインメント(SMEJ)は今回、楽曲の提供を見送った。
「価格決定権は譲れない」。SMEJでデジタル関連事業を統括する秦幸雄コーポレート・エグゼクティブの
決意は固そうだ。
 約四ヶ月遅れのうえ、SMEJ抜きでの見切り発車を余儀なくされたiTMS。価格は150円と200円という
複数価格制を世界で初めて採用せざるを得なかった。アップルは今後もSMEJなどとの交渉を粘り強く
続けることになる。