キリンビール、キリンビバレッジとヤクルト本社の3社は15日、健康・機能性食品や飲料
を中心とした国内の事業提携に合意したと発表した。商品開発や生産、物流、販売で連携
するほか、自動販売機の相互活用も強化する。
提携基盤強化のため、ビバレッジはヤクルト株の1・4%を、ヤクルトはキリンビール株の
0・44%、ビバレッジ株の0・36%を保有し合う。取得額は双方ともに50億円。
キリンビールなどによると、健康・機能性食品の2004年度の市場規模は約1兆8000
億円に達し、今後6年間で3兆円規模にまで拡大が見込まれる。
業務提携により、キリングループは健康・機能性食品分野の強化を図り、ヤクルトは販
路の拡大を目指す。
キリンはグループの健康食品製造会社「キリン ウェルフーズ」でビール酵母などの健
康食品事業を展開しており、主にドラッグストアや通信販売などの販路を確保している。一
方、ヤクルトは乳酸菌を中心とした高い素材開発力と地域販売会社ネットワークによる、ヤ
クルトレディの訪問販売という独自の販売ルートを構築している強みを持つ。
ヤクルトとビバレッジは03年7月に自動販売機による相互商品の販売提携をスタート。さ
らに、キリン ウェルフーズの一部の商品をヤクルトレディが販売している。今月にはキリ
ングループの小岩井乳業東京工場でヤクルトブランドの商品の生産を開始した。
健康食品・飲料分野で生産・物流面に共通する機能を相互活用し、競争力を高めるほか、
今後は健康・機能性食品の開発で、両グループの研究技術やマーケティングのノウハウ
を相互活用する。
記者会見したキリンビールの荒蒔康一郎社長は「乳酸菌など健康に関する商品開発が
ヤクルトの魅力。両グループがお互いの強みを出し合い、相乗効果を上げていきたい。
なるべく早い時期に、具体的な商品を消費者に届けたい」と強調した。
ヤクルトの堀澄也社長も「健康に関する幅広い商品開発をしたい」と話した。
■ソース…FujiSankei Business i. 2005/6/16
http://www.business-i.jp/news/ind-page/news/art-20050615221302-NDBCDVTEIY.nwc