2004/12/05 yahooニュースから
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041205-00000002-san-int 中国企業ずさんな経営 破綻隠し?株売却 シンガポール当局捜査
シンガポールの中国系企業の経営破綻(はたん)が、中国を巻き込んだ金融スキャンダルに発展している。
親会社の中国国営企業によるインサイダー取引疑惑が浮上、シンガポール当局が捜査を開始したのだ。
中国企業のコーポレートガバナンス(企業統治)欠如という問題を浮き彫りにした格好で、
空前の“中国投資ブーム”を追い風に海外市場に続々と進出する中国企業の経営実態に対する懸念が広がり始めている。
破綻したのは、中国国営の航空燃料供給大手「中国航空油料集団」の子会社で、
シンガポール証券取引所上場の「チャイナ・エビエーション・オイル(CAO)」。
石油のデリバティブ(金融派生商品)取引などで約五億五千万ドル(約五百六十億円)の損失を出し、
十一月三十日、会社更生法に相当する手続きを裁判所に申請した。
シンガポールでは一九九五年の英銀行ベアリングズ以来の大型破綻となった。
地元紙ストレーツ・タイムズなどによると、CAOは原油価格が高騰した十月、
相場の反落を想定した投機的な取引を重ねたが、実際の相場は一段高となって損失が膨らんだとみられている。
エネルギー消費大国・中国の燃料供給態勢に無理があった可能性もある。
CAOの破綻が関心を集めているのは、インサイダー取引疑惑が浮上したためだ。
報道によると、親会社の中国航空油料集団は十月二十日、
CAO株式15%を市場価格より安く機関投資家に売却したが、十日前にCAOから巨額損失の報告を受けていたという。
事実であれば、情報を開示せずに株を売買したインサイダー取引に相当する。
シンガポール当局は三日、中国に帰国した陳久霖CAO会長の出頭を求めるなど捜査を開始した。